発表

グループ名称 特定非営利法人はままつ子育てネットワークぴっぴ
グループの属性   活動地域 静岡県浜松市を中心とした全国
テーマ 「子どもの防災を考える地域のネットワーク事業」
発表者  
発表方法   ビジュアルプレゼンテーション  
発表内容

◆防災活動に取り組む動機


私たちは普段、情報収集発信事業、講座及び研修事業、調査研究事業、相談事業、男女共同参画事業の5つを柱に、行政・企業・学校などが連携する環境を作り、浜松市が子育てしやすい街と多くの人が感じられる社会になるよう活動しています。
ぴっぴのスタッフのほとんどが県外出身者ですが、静岡県では30年以上前から東海地震の危険が言われ続けてきたので、地元の人のほとんどは逆に災害に対して感覚が麻痺して危機感が薄れていること、防災訓練は楽しくないというイメージを大人も子どもも持っていること、防災について考える場に女性や子どもの視点が欠落していることを感じたのが、防災活動に取り組んだ動機はでした。また、防災ボランティアコーディネーターからは、「お互いさま」という地域の助け合いの気持ちや地域のネットワークが問題解決の鍵であることに多くの人が気づいていないと教えられました。
Q「防災について考える場に女性や子どもの視点が入っていないとはどういうことですか」
A「防災対策を考える会議や防災担当課、仮設住宅の運営責任者などに女性が必ず参画することが大切です。女性が意見を言えて、それが採用されるには、全体の最低3割が女性でないと声がかき消されることが多いそうです」
◆「子どもの防災を考える地域のネットワーク事業」について


被災地からの報告には悪い話ばかりではなく、参考になる話もあります。阪神・淡路大震災では消防車・救急車がたどり着く前に近所の人が救出に当たり、多くの人が助かったそうです。防災は地域の人のネットワーク、普段からの地域のつながりが一番役立つ。その根底に「お互いさま」という気持ちが必要ということが分かります。こういうことを多くの人に理解してもらうため、災害ボランティアコーディネーター、障害のある子どもを持つ親の会などとの連携で、「子どもを守るための防災ワークプロジェクト」を結成し、活動しています。
Q「例えばアレルギーの人は被災時にどんなことが困るのですか」
A「被災後はほこりなどが尋常でないほど舞うので、アレルギーや喘息が起き、アレルギー用の食べ物を用意したり、ひどい場合は被災地外への避難も考えないといけません」
この事業は平成18年度に始めたのですが、子どもを守る防災ワークブックを作成し、市内を中心に県内外からの子育て支援団体等の要請で出張講座をしています。小さい子どもだけでなく、平成20年度には浜松学院大学の学園祭で学生等200人の参加で「ぴっぴのいざ!カエルキャラバン」を行いました。大学で行ったのは、幼児教育専攻の学生の協力や、協力を通した学生自身への啓発効果も期待できるからです。
私たちの講座では日常にあるもので被災時に役立つものを作るワークショップが一番人気があります。年齢に関わらず誰も興味を持つのは、就寝中の被災に備えて用意する履物を新聞紙で作る「パリパリスリッパ」、被災後の防寒・防塵を兼ねたゴミ袋で作る「簡単カッパ」の作り方です。
◆女性や子どもの視点について


例えば過去の複数の災害事例では、大手企業から大量に寄付された生理用ナプキンを一人1日1枚で配布したなど、女性なら誰でもありえないと思う話があります。東海・東南海地震が起きた時それでは困る。被災地の現実を知り、防災を考える段階から女性や子どもの視点を入れられるよう努力する必要があると気づくことが大事です。また、妊婦や子ども連れは自分も災害時要援護者になるという自覚を持って備えること、妊婦や子ども連れであることを地域の人に知っておいてもらうこと、普段からの関わりが助け合いにつながることに気づくことが大切です。こういうことが防災の第一歩なのです。
◆今後の課題
先日の地震では浜松は震度4でしたが、揺れているときは普段防災活動に関わる私でも何もできませんでした。こういう経験からも、子育て中の世代や子どもたちを中心に、防災意識の再確認、日常にあるもので防災ができること、防災はやり方次第でゲーム感覚で学べるので防災をむしろ非日常のものにしないこと、女性や子どもの視点も大切であることなどを、多くの人に理解してもらえるよう活動を続けていきます。また、地域の自治会や幼稚園・学校などとも連携して活動を広げていきたいと考えています。
 

資料 配布資料 あり ブース展示 あり

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内閣府政策統括官(防災担当)

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