発表

グループ名称 南御厨地区自治会
グループの属性 自主防災会 活動地域 静岡県磐田市南御厨地区県営・公団住宅
テーマ  
発表者  
発表方法   ビジュアルプレゼンテーション  
発表内容

◆「多文化共生活動」取り組みのきっかけ


南みくり御厨地区はJR東海道線磐田駅から東方約4kmにあり、田園地帯の中に住宅団地があり、外国人(ブラジル人)が多く住む地区です。磐田市全体では外国人は5%強ですが、私たちの地区では人口約4,000人のうち、20%以上が外国人で、ほとんどが県営住宅・公団住宅に住み、この両住宅団地を含む町丁では外国人が半数以上になります。私たちは「安全・安心の住みよいまちづくり」を目標に、福祉、防犯、防災、環境美化の諸活動のほか、「多文化共生活動」に取り組んでいます。外国人居住者が急増した平成12年頃から、どこでも起こるゴミや騒音の問題、言葉の問題、さらに学校教育の問題が地区の大きな課題になってきて、どうすれば協力・協働できるか模索が始まりました。南御厨地区自治会は住宅団地それぞれの自治会を含む10の自治会の連合体ですが、この問題を両団地の単位自治会だけの問題にしてはならないということで、平成15年から地区全体の課題として取り組みを始め、多文化共生活動がスタートしました。まず、「居住外国人との顔の見える関係づくり」として、地域で行う体育祭・文化祭・祭り・防災訓練等への参加呼びかけから始めました。
◆外国人対象の防災活動


外国人対象の地震防災活動の経緯は、毎年12月の静岡県の地域防災訓練では、これまで地区での訓練に外国人が来ても、言葉の壁が高くて訓練種目が理解できず、見ているだけでした。しかし大災害が発生すれば日本人、外国人の区別は関係ない。「自分の命は自分で守る、地域は協力して皆で守る」ということを外国人にも理解してもらうことが必要なので、平成15年から、外国人対象の地震防災研修会を始めました。内容は起震車体験、地震防災ビデオ視聴、避難時の注意や避難所の心得で、知識の習得にはなりますが、体験訓練としては不十分でした。そこで平成18年度から「参加型」を始めました。
今年の訓練は7月に県営住宅と公団住宅の間の広場で約1時間40分、外国人91名、日本人72名、消防関係者16名で行いました。訓練内容は消火器使用訓練、AED訓練、アルファ米炊き出し訓練、消火栓使用放水訓練、要救護世帯数確認訓練などで、消火器使用訓練は子どもたちも興味を持って積極的に参加していました。消火栓使用放水訓練は初めての取り組みで、この団地には消防ポンプがないが、消火栓だけで初期消火ができることが確認できました。要救護世帯数確認訓練は「救護不要カード」(A4版の厚紙に青い丸が描かれたもの。各戸で保管)を避難する際に家の前に張り出し、救護がいらないことを示す重要なものです。
こうしたことには行政などの支援もあります。多文化共生活動には市の共生社会推進課にたいへんな協力を頂いており、訓練でも回覧やAED訓練説明書、炊き出しの仕方など訓練に関わる文書類をポルトガル語へ翻訳してもらいました。また、磐田消防署・地元消防団には器具の準備や訓練指導。これは日本語ですが、それでもできるのは平成16年度から、外国人と地域で共生するには言葉の壁を乗り越える必要があるが、通訳は地元の日本語の話せるブラジル人に担当してもらおうという取り組みを進めているからです。また今年度は地元企業であるヤマハ発動機から災害用保存食200食の提供があったので、参加者に配布もできました。
◆活動の成果と課題


居住外国人には、地震発生時まず何をすべきで、どう行動すべきという自助意識が高まってきたと思います。先日の地震でも、あわてて叫んだり、外へ飛び出したりする人は一切なく、効果を実感しました。これから、外国人、日本人の区別なく災害時には助け合う方向を探っていかなくてはならないと思います。
当面の課題は、「救護不要カード」についてまだ外国人は理解せず紛失するということがあるので啓発を続けること、また「災害時見守り助け合いカード」なども作ったので活用を考えていくこと、こうした活動を通して、さらに顔の見える関係を築いていきたいと思っています。
 

資料 配布資料 なし ブース展示 あり

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内閣府政策統括官(防災担当)

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