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【有珠山噴火災害教訓情報資料集の概要】


 災害から教訓を得て今後に生かすためには、まず、実際にどのような事態が発生し、それに対してどのような対応が取られたのか、また、どのような課題があったのか等について把握し、理解することが必要である。
 2000年有珠山噴火災害については、これまでに事前避難対応から噴火活動終息後にかけて、さらには応急復旧・復興に携わった公的機関や火山専門家をはじめ新聞やテレビ等の報道機関、あるいはライフラインやJR等民間企業など多くの主体が多分野にわたるさまざまな情報を文献等により発信している。本教訓情報は、平成12年の噴火から丸4年が経過した現状までをこのような文献などから収集し、理解し易いかたちで整理し、取りまとめたものである。
 具体的な編集方針は以下のとおりである。
  • 教訓情報の範囲は、有珠山の過去の噴火史から噴火前の事前対応、噴火から噴火継続対応期さらに応急復旧・復興に至る過程全般を対象としている。
  • それぞれのフェーズはさらに細分して大まかに、火山活動−被災者の行動−学識者・行政の対応−マスコミ・メディアの対応−という流れになっている。
  • 教訓情報は公的記録、学術論文、専門雑誌、一般雑誌、一般書、新聞その他の文献の形をとっているものから収集した。
  • 人名の取り扱いについては、原則として、民間人については匿名(○○○○さん等)とし、公務員及び学者についてはそのまま記載した。
  • 教訓情報の記述例は次に示すとおりである。
階層式の記述例


階 層
記 述 例


第6期・第5期以降も続く課題(噴火後1年以降)

中分類
6-02. 噴火後も残る影響

小分類
1. 人口の減少

教訓情報
01.虻田町及び壮瞥町の人口が減少、特に虻田町の人口が大きく減少した。

参考文献

◆道は8日、今年の国勢調査(10月1日現在)の速報を発表した。道内の総人口は568万2950人で、前回調査時(1995年)と比べ、9371人(0.2%)減少した。前々回の90年に続き2回目のダウンで、拓銀の経営破たん以降、長引く景気低迷で道外に流出したのが要因とみられる。(中略)減少率が最も高かったのは、胆振管内虻田町の20.7%の大幅ダウン。3月の有珠山噴火による避難生活が長期化したのが影響し、2184人減って8352人となった。町が把握しているだけで、10月3日現在で1077人が室蘭市などの公営住宅や仮設住宅に入居しているという。[『毎日新聞』(2000/12/9地方版)]

◆2000年の数字では、有珠山噴火のマイナス影響が最も明瞭に現れたのは、噴火当該地域で洞爺湖温泉を抱える虻田町であり、「昭和新山」観光の壮瞥町である。特に2000年調査での虻田町の減少率の高さは際立っており、95年調査時から20%以上の減少である。(中略)したがって、それ以外の地域の数字と比較しても、2000年噴火の影響は虻田町に集中的に現れたようである。[小田清「北海道・有珠山噴火の歴史と周辺地域の概要」『開発論集 第71号』 北海学園大学開発研究所(2003/3),p.17]

◆:教訓情報の出典の文献紹介(抜書引用)、◇:教訓情報の出典の文献紹介(参考要旨引用)をそれぞれ意味する。


  • 教訓情報の全体構成は、第1期の有珠山の歴史(2000年噴火以前について)を含め大きく6つのフェーズに分けてあり、具体的区分は次のとおりである。
第1期 有珠山の歴史(2000年噴火以前について)

 1-01.有珠山について
  1.有珠山の概要
  2.有珠山の過去の噴火

 1-02.1977年噴火災害とその後の対応
  1.1977-78年(昭和52-53年)噴火の経緯
  2.1977-78年噴火による被害
  3.噴火後の取り組み

第2期 事前対応期(3/27の前兆現象〜噴火まで)

 2-01.火山活動
  1.火山性地震の増加
  2.道路・交通機関への影響

 2-02.事前避難
  1.避難指示と事前避難
  2.避難活動支援

 2-03.初動体制
  1.北海道および自治体の初動対応
  2.政府の初動対応
  3.ライフライン関係の初動対応
  4.各種マスコミ・メディア等の対応

第3期 噴火継続対応期(最初の噴火〜2週間)

 3-01.噴火活動と被害拡大
  1.噴火活動とその後の経過
  2避難指示区域の拡大・縮小
  3.道路・河川・鉄道施設の被害
  4.ライフラインの被害

 3-02.警戒・避難体制の拡充
  1.避難列車の運行
  2.北海道および自治体の対応
  3.政府の対応
  4.海域の警戒

 3-03.避難所生活
  1.避難所の生活環境と運営
  2.避難所間の格差
  3.一時帰宅
  4.ペット問題と対策

 3-04.避難生活の支援
  1.避難住民への各種情報の提供
  2.医療・救護活動
  3.心のケア
  4.災害見舞
  5.ボランティア

 3-05.交通機関等の対応
  1.緊急輸送
  2.迂回路・代替輸送
  3.鉄道代替輸送
  4.ライフライン事業者の対応

 3-06.産業・雇用対策
  1.農業・漁業対策
  2.中小企業・雇用対策

第4期 被災地応急対応期(2週間〜3ヶ月)

 4-01.噴火活動の経過
  1.噴火活動の減少
  2.避難指示の一部解除

 4-02.防災関係機関等の対応
  1.委員会等の開催
  2.自治体による対応
  3.北海道による対応
  4.政府による対応
  5.学識経験者による対応
  6.ボランティア活動

 4-03.長期避難と避難所生活
  1.短時間帰宅・一時帰宅などの実施
  2.避難所の統廃合
  3.精神的ストレス

 4-04.被災住民の支援活動
  1.応急仮設住宅体制
  2.医療・福祉支援
  3.災害弱者への対応
  4.被災者への生活情報の提供
  5.地域活性化対策

 4-05.被害調査
  1.被害調査体制
  2.建築物の被害度調査

 4-06.都市基盤・サービスの復旧
  1.上下水道の復旧
  2.ライフラインの復旧
  3.通行規制解除と道路復旧
  4.鉄道の復旧

 4-07.泥流災害の防止
  1.泥流災害対策
  2.二次泥流警戒避難基準雨量
  3.二次泥流警戒避難区域

第5期 復旧・復興期(3ヶ月〜1年)

 5-01.噴火活動の沈静化
  1.マグマ活動の終息
  2.現地対策本部の廃止
  3.観測態勢・警戒基準の見直し

 5-02.避難所の廃止
  1.避難所生活の長期化
  2.避難住民支援サービスの終了
  3.避難指示解除および全避難所の閉鎖

 5-03.住宅と生活の再建
  1.洞爺湖温泉街の移転問題
  2.災害見舞金の配布
  3.被災者生活再建支援法の適用
  4.厳しい雇用実態と雇用対策

 5-04.復興計画と計画的まちづくり
  1.復旧・復興対策の推進体制
  2.災害復興計画

 5-05.泥流対策・降灰除去作業
  1.泥流対策
  2.降灰除去作業

 5-06.産業の復旧・復興
  1.金融面の対応
  2.洞爺湖温泉街の再開
  3.観光キャンペーン

第6期 第5期以降も続く課題(噴火後1年以降)

 6-01.噴火活動の終息
  1.噴火活動の「終息宣言」
  2.全避難指示の解除
  3.災害対策本部の廃止
  4.応急仮設住宅の廃止

 6-02.噴火後も残る影響
  1.人口の減少
  2.観光客の減少

 6-03.復興に向けた取り組み
  1.災害復興方針・復興計画
  2.災害に強い地域づくり
  3.安全で快適なまちづくり
  4.有珠山を理解する環境づくり
  5.地域産業の再生
  6.自治体財政

注)第6期の「復興に向けた取り組み」については、平成13年度以降の主要施策の実施状況が最新の公的記録がないこともあり、これについては平成16年3月31日現在 の状況を北海道庁からの聞取り(資料名[『有珠山噴火災害に伴う復旧・復興状況について』北海道(2004/3)])により補足してある。

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