阪神・淡路大震災教訓情報資料集【02】第2段階都市計画

教訓情報資料集

参考文献を含む詳細ページ(PDF)はこちら (PDF形式:241.9KB)別ウインドウで開きます

  • 4.第3期以降も続く課題(地震発生後6ヵ月以降)
    • 4-02.産業・都市の再生
      • 【02】第2段階都市計画
        • 01.1995年中に、土地区画整理について第2段階都市計画決定及び事業計画決定がなされたのは11地区中 2地区にとどまった。
          • 01) 95年11月30日に鷹取東第一地区(減歩率最大9%)、95年12月27日に尼崎市築地地区(減歩率平均10%)で事業計画が決定された。
          • 02) 鷹取東第一地区は98年3月現在で仮換地指定が93%に達するなど、土地区画整理事業区域の中ではもっとも早い展開を示している。しかし、同地区に戻れる見込みのない被災者も多い。
          • 03) 尼崎市築地地区は、95年3月17日に都市計画決定を行わず、住民との議論を重ね8月に都市計画決定を行った地域である。区画整理とあわせて住宅地区改良事業が合併施行されることとなった。
          • 04) 通常の都市開発事業にない助成が有効性を発揮したが、個人負担が不可避で区域外への転出を余儀なくされるケースも生じるとの指摘がある。□
        • 02.土地区画整理については地区の分割が行われて11地区が20地区になり、9地区で96年中に事業決定が行われ、合計11地区で事業計画決定。99年までに全地区で事業計画が決った。
          • 01) 神戸市では、六甲道駅北、六甲道駅西、松本、御菅東、新長田駅北。芦屋市では、芦屋中央。西宮市では、森具、西宮北口駅北東。北淡町富島で事業計画が決定した。
          • 02) 残り9地区のうち、97年10月時点では、森南第一、御菅西、鷹取東第二地区が事業計画を決定した。98年に入り、森南第二、芦屋西部第一地区、同第二地区も事業計画を決定し、森南第三地区を残すのみとなった。
          • 03) 神戸市灘区森南地区では減歩率2.5%とし、当初計画されていた17m道路は廃止された(97年9月事業計画決定)。これを始めとして、7地区で実質的な都市計画変更が行われたとされる。
          • 04) 事業計画が決った地区では、仮換地指定が進行中であるが、淡路島・富島地区では、反対が多く実質的に事業が動いていない。
          • 05) 仮換地指定が進むにつれて、再建能力のない人が地域を離れていく状況が見られるとの指摘もある。
          • 06) 2000−01年までには、鷹取東第一地区等で事業完了するなど多くの事業が終盤に差し掛かる一方で、最後となった森南第三地区では99年10月に事業計画が決定された。◎
          • 07) 2001−03年までには、事業完了する地区がますます増えているが、地区内の人口は停滞している。★
          • 08) 2004−05年には多くの地区で事業が完了してきたが、地区によって人口回復、再建の状況に格差が広がっている。▼
        • 03.市街地再開発事業は6地区が都市計画決定され、まちづくり協議会からの提案を受けて事業計画の決定、着工などが進められている。
          • 01) 市街地再開発事業は、規模の面から巨大規模の新長田駅南地区(20.1ha)、中規模の六甲道駅南地区(5.9ha)および西宮北口駅北東地区(3.3ha)、小規模な宝塚市3地区(0.9ha,1.6ha,1.6ha)に分けられる。
          • 02) 小規模・中規模の事業地域では震災後2年半~3年で着工に至った。しかし、巨大な新長田駅南地区では事業計画の決定に至っていない地区もあり、先行地区の実績が直接影響することなどから、同時並行的に進捗することは困難と見られている。
          • 03) 新長田駅南地区では、複数の再開発ビルの一元管理やにぎわいづくりのイベント等の企画を行う「新長田まちづくり会社」が設立(98年10月)された。
          • 04) 市街地再開発事業では、価格や家賃によっては従前権利者が残留できないこと、保留床の処分が進むかどうか、商業床が大量供給されることの影響、保留床の処分が進まない場合の自治体財政への圧迫などが懸念されている。
          • 05) 2000−01年までに、売布神社駅前地区、六甲道駅南第一地区など4地区で完了した。◎
          • 06) 2001−03年までに、多くの地区で事業が完了してきたが、新長田駅南地区では事業期間を延長することとなった。★
          • 07) 震災復興事業に係る特例として、補助採択要件の緩和と、補助対象の拡大が図られた。★
          • 08) 神戸市のJR六甲道駅南地区でも、保留床が売却できず、大部分は賃貸に切り替えられた。☆
          • 09) 2004−05年には新長田駅南地区を除く5地区で事業が完了した。▼
        • 04.震災復興都市計画事業の推進に当たり、多くの課題があり、各地区ではそれらに対して様々な対応を行って、事業を推進した。★
          • 01) 公費解体された建物の、補償等の取扱いが問題となった。★
          • 02) 行政側の事業推進体制の強化が課題となり、他の自治体から派遣された職員が重要な役割を果たした。★
          • 03) 土地区画整理事業と他事業手法の組み合わせが、復興まちづくりに有効に機能した。★
          • 04) 市街地再開発事業と他事業手法の組み合わせが、復興まちづくりに有効に機能した。★
          • 05) 震災復興都市計画事業の推進に当たり、都市基盤整備公団が果たした役割が大きい。★
          • 06) 零細な事業所や工場、商店等が地区内で事業継続するための方策が課題となった。★
          • 07) 土地勘がない専門家等の初期の対応の誤りや、地域特性をあまり考慮しない事業計画等により、混乱を助長して、あるいは行政不信を増幅したり、時間の浪費につながったりした地区もあった。▼
          • 08) 合意形成にあたっては、各権利者の具体的な生活再建の道筋を明らかにすることが重要であった。▼
          • 09) 震災復興における巨大な規模の区画整理や市街地再開発が適切であったのか、検証と議論が続けられている。●

      目次へ戻る

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.