阪神・淡路大震災教訓情報資料集【07】心のケア

教訓情報資料集

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  • 4.第3期以降も続く課題(地震発生後6ヵ月以降)
    • 4-01.生活の再建
      • 【07】心のケア
        • 01.急激な生活変化は大きなストレスを生み、「こころのケア」が課題となった。
          • 01) 被災地では多くの人が、強い揺れによるショック、家族や財産の喪失、避難所、仮設住宅等への移行等の急激な生活変化に大きなストレスを感じ、精神的、身体的疾患を来した。
          • 02) 精神障害が誰にでも起こりうるという事実があらためて認識された。
          • 03) マスコミ報道等により、「こころのケア」という言葉だけが先行しすぎたとする専門家がいる。
          • 04) こころのケア対策では、PTSDの予防対策と発生後の治療対策の両方を考慮した様々な分野の専門家による総合的な支援が必要とされた。
          • 05) 心の問題に関する多くの調査が研究者により行われたが、ケアを伴った調査はほとんどなかった、との指摘がある。▼
          • 06) 初動期のあらゆる活動が円滑に行われることが、こころのケアにおける予防的意義を持つ。▼
          • 07) 初期のこころのケア対策はほぼうまくいっている。▼
        • 02.救援者の中には、自らが被災しながらも災害救援にあたった人がいた。また、被災地外からの救援者など被災していない人も、厳しい活動状況下に置かれたことから、救援者に対する心のケアが必要だった。
          • 01) ケアの対象は避難者中心となっていたが、防災機関の人々やボランティアのケアも重要だった。
          • 02) 救援者のPTSDはしばしば被災者と同等あるいはそれ以上との指摘もある。
          • 03) 救援者の心のケアについても、長期的な対応が求められている。◎
        • 03.心のケアに対する長期的な対応が必要となった。
          • 01) 兵庫県は「こころのケアセンター」を設置。相談内容・症状では、不安、対人関係、睡眠障害、抑鬱などが多く、男性では、アルコール関連障害も多かった。またPTSDは家屋・家族の喪失体験を持った人に高率にみられた。
          • 02) 兵庫県教育委員会は、地震後2月20日から3月24日にかけて精神科医による専門対応を行った。その後「災害を受けた子どもたちの心の理解とケア事業」を始め、教師に対しても「メンタルヘルス事業」を実施した。
          • 03) 地震直後だけでなく、その後もさまざまな環境の変化により精神的に不安定な状況に陥ったケースが多く、“心の健康”を取り戻すためには、息の長い支援活動が必要であるとされた。
          • 04) 生活が再建できない被災者は、震災の傷跡が周りから消えていくほど、取り残されたという焦りが増し、不安や恐れを口に出すことすら難しくなり、心の傷が顕在化してくるとの指摘もある。

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