阪神・淡路大震災教訓情報資料集【05】雇用の確保

教訓情報資料集

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  • 4.第3期以降も続く課題(地震発生後6ヵ月以降)
    • 4-01.生活の再建
      • 【05】雇用の確保
        • 01.震災による失業者の実態は把握できず、4万人~10万人と推計された。
          • 01) 震災失業者のうち、職安に求職票を出したのは約1万8000人だが、失業者の実態は把握できず、4万人~10万人とも推計された。
          • 02) 求人は高年齢者に厳しく、職種では事務職が少ないなどの状況となり、失業者ニーズに合わなかった。
          • 03) 被災した企業の雇用維持等に関して、民事訴訟に持ち込まれた例がある。▲
          • 04) 被災直後から、雇用調整助成金の特例措置等が講じられ、大いに活用された。☆
          • 05) パートで働く女性の不当解雇の問題は少なくなかった。▼
          • 06) 当初の雇用喪失は、全体としてはさほど大きなものにはならなかったと評価される。▼
          • 07) 失業給付の特例等により、賃金の未払いがほとんど問題とならなかった。▼
        • 02.県内の人口回復や、仮設住宅の被災者の社会復帰を促すという観点からの離職者対策が実施された。
          • 01) 「公共事業就労促進特別措置法」が施行され、公共事業を請け負った会社が、新たに人材を必要とする場合、40%以上を被災失業者から雇うことを義務付けたが、96年5月末現在での雇用は41人に留まった。
          • 02) 当初は離職者を全国に流動する施策がとられたが、被災地への人口回復の観点から被災地内における雇用を奨励する方向に転換した。
          • 03) 仮設などにおいて就労意欲を喪失しかけている被災者の社会復帰を促すという観点から、仮設住宅の離職者を対象とした雇用政策が実施された。
          • 04) 職業能力開発としても様々な措置がとられ、企業委託による職業訓練も行われた。
          • 05) 被災地での就業機会を創出する対策として、各種推進員等の設置、キャリア・アップ・プログラム等の様々な施策が行われた。▲
        • 03.民間における雇用機会の維持・創出への努力も見られた。
          • 01) 企業間による早期復旧支援によって、間接的に雇用の維持が図られたとの指摘がある。
          • 02) 労働者協同組合として、「建設労働者協同組合」やケミカルシューズ関連の失職者による「被災地労働者組合」が結成された。
          • 03) 当時の終身雇用慣行により、各種政策の制定あるいは弾力的な運用が、効果的に機能したと評価することができる。▼
        • 04.震災から3年目をむかえて復旧関連の公共工事がピークを超え、倒産も高水準で推移することが予想されるなど、雇用環境は厳しい。
          • 01) 前年同月比の雇用者数が全国でプラスに転じるなか、兵庫県内は公共工事がピークを超え、その落ち込みがカバーできず96年2月からマイナスの状態が続いた。
          • 02) 不況の影響もあって企業倒産件数も過去最悪を記録。兵庫県商工団体連合会の会員廃業率では、特に激甚被災地で廃業率が高い。
          • 03) 雇用問題は、災害直後ではなく、復旧が一段落した段階で、本格的に表面化する。▼
          • 04) 震災を経験したボランティア意識の高い人たちが、地域ニーズを市場に結び付けるという社会的使命を高めるための半雇用型のビジネス支援策が採用された。▼
          • 05) これまでの社会構造を維持させてしまう雇用政策が、社会構造の変革を遅らせる結果を招いた面があるとの指摘がある。▼
          • 06) 災害直後に経済活動を復活させるためには、住民が容易に起業できる仕組みが必要との指摘がある。▼
        • 05.98年度以降は、全国的な不況の中で復興需要もピークを過ぎたことから、被災地の雇用情勢は急速な落ち込みを見せている。□
          • 01) 復興需要が落ち着くと、被災地の産業が抱えていた構造的な問題が、雇用の落ち込みという形をとってはっきりと現れてきた。□
          • 02) 震災により失職したり事業をやめた人が15%に達するという調査結果もある。□

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