阪神・淡路大震災教訓情報資料集【03】環境対策の実施

教訓情報資料集

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  • 第3期・本格的復旧・復興始動期(地震発生後4週間~6ヵ月)
    • 3-04.被災建物の解体とガレキ処理
      • 【03】環境対策の実施
        • 01.災害に伴う環境問題が社会的にも注目された。特に倒壊家屋の解体現場における粉じんやアスベストによる汚染等が問題となった。
          • 01) 災害に伴う環境問題が大きく社会的に注目されたのは、今回の阪神大震災がはじめてのことであった。
          • 02) 震災時の環境保全については事前の具体的な対応策等がなく、必要に迫られて進めざるを得なかった。
          • 03) 神戸市は、1月30日には環境庁に大気汚染への影響について報告を行い、アスベスト対策、災害廃棄物の焼却処理に取り組むことを示した。
          • 04) 震災の規模に比して、工場に起因する環境汚染は意外に小さかったと考えられた。
          • 05) 住民の粉じん対策として、マスクの配布や避難所への空気清浄機の配置が行われた。☆
          • 06) 廃棄物中の冷蔵庫等からのフロンの回収・処理対策も行われた。☆
          • 07) ビル解体撤去工事現場の近傍地点では、一般的な場所よりやや高いアスベスト濃度がみられた。▼
          • 08) 被災したクリーニング事業場からテトラクロロエチレン等が土壌環境基準を上回って検出された。▼
        • 02.初期数ヶ月は、多くの自治体で仮置場のスペースが埋めつくされてしまうという不安から野焼きが行われた。
          • 01) 被災したほとんどの市町は仮置場のスペースが埋めつくされてしまうという不安から野焼きをした。
          • 02) 不法投棄現場でかなり長期間にわたって野焼きが行われた例もある。
          • 03) 兵庫県南部の沿岸では、海底の土に野焼きなどによるものと考えられるダイオキシンが検出された。
        • 03.アスベスト対策には様々な困難と課題があった。
          • 01) アスベスト使用建築物の解体等における環境汚染について法的規制がなく、行政では技術的蓄積も少ない中での対応となった。
          • 02) 解体工事におけるアスベスト対策費用は極めて高額で、費用負担の問題から所有者及び業者への指導は困難をきわめた。また、解体業者の規模の大小を問わず、アスベストに対する認識は極めて不十分であった。
          • 03) 兵庫県は1月31日以降に市町、建設関係団体に粉塵・アスベスト飛散防止対策を通知、神戸市は2月22日に解体業者に環境対策指導の通知を行ったが、対策が効果を発揮しはじめたのは公費解体が軌道に乗り始めた4月以降であった。
          • 04) 全国から多数の解体業者が集まっており対策の周知徹底は不可能と考えられたため、アスベスト使用建築物を確認し所有者・請負業者に警告を発するためのアスベスト使用建築物調査が行われた。
          • 05) 公費解体が終了した96年3月末までに神戸市では89棟のアスベスト使用ビルの解体工事が確認されたが、その他の建物については解体工事が次々と進行していくなかでの実態把握は困難だった。
          • 06) 公費解体の三者契約は、建物所有者が業者を選定するため市の業者指導が困難で、環境対策上からは問題の多い制度だった。
          • 07) 国は2月23日に「阪神・淡路大震災に伴う建築物の解体・撤去にかかるアスベスト飛散防止対策について」を自治体等に通知した。☆

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