阪神・淡路大震災教訓情報資料集【02】避難所の生活環境

教訓情報資料集

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  • 2.第2期・被災地応急対応(地震発生後4日~3週間)
    • 2-01.避難所の運営と管理
      • 【02】避難所の生活環境
        • 01.着の身着のまま避難してきた人々は、厳しい寒さをしのぐためさまざまな手段をとった。しかし、多くの避難所では、火災のおそれや電気容量の問題から暖房器具などが使えなかった。
          • 01) 着の身着のまま避難してきた人々にとって、耐え難い寒さが続いた。避難者たちは、少しでも暖をとろうと、様々な試みがなされた。
          • 02) 被災した自宅から毛布や衣類、暖房器具などが持ち込まれたが、電気容量の問題や火災の危険性もあることから使用できない器具もあった。神戸市では、電気容量の増設や配線工事を行った。
        • 02.避難所生活は、特に高齢者にとって困難が多く、避難所肺炎などの健康上の問題も発生した。
          • 01) 特に避難初期には、高齢者が「避難所に来るのが遅れた」「夜中にトイレに行きやすい」などという理由で、廊下や階段の踊り場で生活せざるを得ない場合もあった。
          • 02) 高齢者は、寒さによって肺炎を起こしたり(避難所肺炎)、食生活の悪化から衰弱や脱水症状を起こしたりした。
          • 03) 車椅子の被災者は、スペースや段差の関係で避難所生活は困難だった。視覚・聴覚障害者には、救援物資の配布や相談などの情報の入手が難しかった。(→「第2期 被災地応急対応,II.被災生活の支援・平常化,B.災害時要援護者への対応」参照)
          • 04) 避難所において、インフルエンザ流行対策として、ワクチンの無償投与が行われた。★
          • 05) 避難生活の長期化へ対応して、慢性疾患の患者対応、寝たきり防止のための機能訓練等の対応が行われた。★
          • 06) 避難所における食生活の改善対策として、相談、指導、料理講習会等が行われた。★
          • 07) 避難所や被災家庭への巡回健康相談が行われた。▼
        • 03.避難所においてはプライバシーが確保できず、避難者に大きなストレスとなった。また照明の問題や空気の汚染など、室内環境衛生も問題となった。
          • 01) 体育館での集団生活は被災者間の人間関係の形成や相互扶助に有効であったが、一方でプライバシーが確保できないという問題もあった。
          • 02) 避難所におけるプライバシー確保のため、間仕切りなどが配備された。
          • 03) 照明の明るさが「眠れない」という問題を生み出したほか、寝具の汚れや湿気なども問題となったため、高温乾燥車による毛布乾燥や布団乾燥機の配置なども行われた。
        • 04.避難所では、消毒液の配布など衛生対策などが徐々に進められ、仮設シャワーや仮設風呂も設置された。食中毒対策のため、保冷設備の設置や衛生管理指導、細菌検査なども実施されるようになった。
          • 01) 仮設トイレなどの衛生確保として神戸市では、クレゾール石鹸液などを配布するとともに、1月24日からは他都市の応援を得て759班の作業班を構成、仮設便所などの消毒作業・消毒薬配布を行った。
          • 02) 自衛隊、ガス事業者、メーカーなどの協力の下、仮設のシャワーや風呂の設置、洗濯機の設置も進められた。ボランティアによる仮設風呂の設置もあった。
          • 03) 季節が移るにつれて食中毒の危険性も増してきたため、避難所への保冷設備を設置するとともに、衛生管理パンフレットが配布されるなど衛生管理指導が行われた。夏場に向けて、細菌検査なども実施された。

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