「いのちの地域ネット」を通じた地域防災協働体制の整備【特定非営利活動法人横浜青葉まちづくりフォーラム】
特徴
1. NPO法人が中心となり、市民・企業・行政の協働による災害支援情報と被災者支援体制の整備を推進している。
2. 横浜市青葉区役所との協働により、2006年度の内閣府「全国都市再生モデル調査」の先導的な都市再生活動に選定された。
概要
「いのちの地域ネット」は、重機とオペレータの所在情報を登録するシステム(=安心重機ネット)を整備することにより、平常時には地域の生活情報、安全安心情報のWeb掲示、建設会社やリース業者による在庫管理等に利用しつつ、発災時には建設機械・重機の所在、操作オペレータの有無などの情報をもとに、近隣住民の救助・救援活動に役立てるもの。
現在、横浜市青葉区すすき野地区を中心とする地域において、NPO法人、連合自治会(12の自治会が参画)、隣接の賛同自治会、自治体、建設業者、造園業者、電気通信事業者等の関連企業の協働による体制整備が進められている。
被災者からの要請/重機検索 | 派遣した重機での救出 |
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目的
1. メディアを活用した市民・企業・行政による地域防災協働体制の確立
(平常時と災害時の両方で機能する人と人とのつながりを形成)2. ネットワークによる情報網の整備
(人・道具・小型重機のマップづくり=「安心重機ネット」)3. 予防・減災から救命・救助、復旧まで、トータルな災害対策システムの構築
経緯及び活動状況
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1. 「いのちの地域ネット」の基本的な考え方は、以下のとおり。
(1)国土交通省と全国建設業協会の防災協定により、大型重機については、災害救助法の適用後は国の管理下で救助・救援活動にあたることとされているが、災害救助法が適用されるまでの間、小型重機・フォークリフト・農業機械などを利用し、家族の安否確認後すみやかに近隣住民の救助・救援活動を行う。
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(2)発災後数時間以内に、近隣住民や地域企業が力を合わせて、被災者の救出を図ることを目標としており、次のようなコンセプトを持っている。
地域でやれることを迅速にやる。
消防団の手助け、補完となる。
小型重機やフォークリフト・農業機械の所在マップを活用する。
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2. 具体的なスキームは、以下のとおり。
(1)建設業、リース業、造園業、電力業、印刷業等の連合体を組織し、平常時から重機とオペレータの所在情報を登録するシステム(=安心重機ネット)を整備。
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(2)平常時には、次のような利用を図る。
地域住民 :システムを自治会等のWeb掲示板として利用。道路工事情報などの生活情報も入手可能。
建設会社 :作業所の建設機械・重機の在庫管理、オペレータの就業管理などに活用。
リース業者:在庫管理、リース業者同士での貸借管理
(3)災害時には、登録情報とGPS携帯の情報をもとに、建設機械・重機の所在、操作オペレータの有無など必要な情報を、誰でもリアルタイムで検索できる。また、公的機関などの要請により、重機とオペレータに連絡をとり、現場に直行させ救助・救援活動を行う。
3. 「いのちの地域ネット」の取組は、2006年度の内閣府「全国都市再生モデル調査」の先導的な都市再生活動に選定され、実施主体であるNPO法人横浜青葉まちづくりフォーラムが、市民、横浜市青葉区役所や、電気通信事業者、建設業者、造園業者等と協働したシステムの検証調査等を行っている。2005年、2006年の横浜市(八都県市)総合防災訓練(道路啓開訓練)において、「安心重機ネットワークの活用」として試験運用され、その有効性を実証した。
4. 「いのちの地域ネット」の運用管理部分の検討、及び、平常時・災害時における運用方法等に関する検討はほぼ完了したが、実際の運用に当たって必要不可欠な「地図情報」の使用料の取扱いが課題となっており、現在、新たな協働先やそれに代わる方法・手段を模索している。また、「いのちの地域ネット」の実運用までのサブシステムとして、通信事業者等の協力により、2008年より毎年、「すすき野・荏子田・黒須田地区防災フェア」(2009年実績は14自治会の協働。約4500名参加)で、家族間・地域間の安否確認のシステム構築の体験・実証実験を行いながら「地域防災力の向上」に努めている。
団体名 | 特定非営利活動法人 横浜青葉まちづくりフォーラム | |
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連絡先 | 住所 | 〒227-0062 神奈川県横浜市青葉区青葉台2-26-1 スクエアハイツ 406 |
担当 | 防災担当 | |
電話番号 | FAX 045-983-0651 | |
aoba_machi2003@yahoo.co.jp | ||
URL | ../../../tolink/out580.html |
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