東日本大震災(平成23年3月)
地域を守る使命感~とにもかくにも道を通す~
(宮古市 50代 男性 建設会社社長)
私たち建設会社は道路の維持管理を請け負っています。ただ、お金をもらっているからやるというのじゃなくて、地元を守りたい、必要とされているからやっているんです。「ここを守っているのは自分たちなんだ」という気概を持って仕事をしています。これは社員にも何度も繰り返し伝えています。
震災発生後は、沿岸に向かうルート確保のために国が実施した『くしの歯作戦※』に加わりました。それは、とにもかくにも主要道路の国道45号線まで道を通そうというもの。それができなければ支援物資も、燃料を運ぶ緊急車両も通れませんからね。
初めての津波災害への対応でしたが、私は判断を現場監督に委ねました。「信頼しているからここは誰々に任せる」ということでないと現場は動きません。「全部おまえに任せる」というのは正直一番つらいのですが、社員たちは本当に良くやってくれたと思います。
いろんな計画を立てて、いろんな準備をするのも大事ですけれども、現場の判断というのは非常に大切ではないかと思います。現場で判断するためには、知識、判断力と信頼関係を培っていくことが大事なんです。
※くしの歯作戦とは、東北道、国道4号から津波被害で大きな被害が想定される沿岸部の国道6号、45号への進出のための「くしの歯型」救援15ルートを通行可能にしたもの。
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