東日本大震災(平成23年3月)
被災者ながら必死に炊き出し ~事前の訓練役に立つ~
新地町 60代 女性 社協職員
インタビュー日:2012年9月19日
震災の少し前に地域で防災訓練があり、日赤のハイゼックス(非常用炊き出し袋)を使った炊き出し方法なども学んでいました。また、私は地域の炊き出し班長になっており、使命感から、自宅が地震でメチャメチャになりながらも、避難先の中学校で炊き出しをすることにしました。
とはいえ道具も材料もありません。困っていると、だれともなく協力者が出始め、野菜、調味料、大なべ、井戸水、まきなどを集めてくれました。そこらじゅうに畑があって採り残した野菜が1年中ころがっていること、多くの家庭でみそなどを備蓄していること、水を井戸からくめたことは私たちの地域の強みだと思います。
1日目は避難所の分の炊き出しをし、2日目以降は多めに作って自宅にいる人たちにも届けました。配達は集落ごとに担当してもらいました。今回の炊き出しでは地域の特性や事前の訓練がとても役に立ちました。でも、炊き出しのノウハウを知っているだけでは作業はうまく進まなかったと思います。
防災訓練など日ごろの活動を通じ、「この人だったらこういうことができるのではないか」と、何となく把握しておいたのはよかったかもしれません。あとは地域の人たちに譲り合いや助け合いの気持ちがあったことが一番の幸いだったと思います。
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