被災者も支援者も温泉でホッと一息

東日本大震災(平成23年3月)

被災者も支援者も温泉でホッと一息

新地町 60代 女性 旅館経営

被災者も支援者も温泉でホッと一息のイラスト
インタビュー日:2012年9月19日

私が経営するホテルは温泉を併設しており、日帰り入浴もできます。近くの鹿狼山(がろうさん)への登山口になっているほか、昨今の温泉ブームで平日でもにぎわっています。震災当日の金曜日も、数多くのお客様が利用されていました。ふだんは、相馬平野から海まで見渡せるのんびりしたこの温泉が、シャンプーまみれの人、泣き叫ぶこどもでパニックになりました。

震災発生2週間でボイラー室の安全確認ができ、それからはバスで送り迎えをし、避難所からの入浴の受け入れを始めました。1人30分前後ずつくらいの交代制だったので十分ではなかったのですが、おふろが被災者の方々の安らぎに少しでもなったと思うとうれしいです。湯上がりで上気して、震災という恐怖から一時でも解放された被災者の方々の顔を今でも思い出します。

また、いつのころからか、自衛隊の隊員の皆さんも入浴に来られるようになりました。駐屯地に行けばおふろはあるのですが、車で往復2時間かかる。困っていた矢先にここを見つけたと喜んでおられました。それでも「被災者ではないので」と遠慮がちに、素早く入浴を済まされる様子には頭の下がる思いでした。厳しい活動が続く中、温泉で英気を養っていただけたのは本当によかったと思います。

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