東日本大震災(平成23年3月)
窓に耳を押し当てて聞いた防災無線 ~御近所のお役に立ちたいと情報求める~
新地町 60代 女性 主婦
インタビュー日:2012年9月19日
地震発生直後から、津波発生の警告や、高いところに避難するよう呼びかける声が、防災無線を使って町中に流れていたようですが、私には全然聞こえませんでした。やはりパニック状態になっていたのだと思います。でも、少し落ち着いてからは、努めて聞くようにしました。最初に聞こえたのは、ボランティア参加を呼びかける町長の声でした。それですぐにナビボラ(道案内ボランティア)を始めました。
家は何とか生活できる状態にあり、親せきと一緒に大人数でしばらく暮らしました。原発事故が起こってからは窓もドアも閉め切っていましたが、防災無線がかすかに聞こえたときだけは細く窓を開け、そこに耳を押し付けるようにして内容を聞き取りました。どこにどんな人が避難しているのか、どんな支援が求められているのか。そういうことを私はほとんど防災無線で知り、できるだけ出かけてお手伝いをしました。新地に越してきて約8年。新参者の私たち家族を受け入れてくれた御近所の皆さんのお役に、こんなときこそ立ちたいと思って一生懸命働いたのです。
今では役場に申請し、室内でも聞こえる防災無線を配備してもらっています。今後も何かあったときには無線で情報を得て、避難やボランティア活動に生かしたいと思います。
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