震災以来、避難用リュックに下着常備

東日本大震災(平成23年3月)

震災以来、避難用リュックに下着常備

新地町 70代 女性 農業

震災以来、避難用リュックに下着常備のイラスト
インタビュー日:2012年9月19日

我が家はいちご農家で、震災が起きたのは収穫したいちごをパック詰めしているときでした。とにかく揺れがひどく、とっさに竹やぶに逃げ、辺りを見渡すと、土蔵の壁がドサッと崩れ落ちました。これは大変だ! 今までにこんなことはなかった、と思ったとき、母の話を思い出しました。母は昭和8年の津波を経験しており、「地震が来たら逃げろ」と、繰り返し言っていたんです。そこで家族や近所の親せきに「逃げろ! 逃げろ!」と言って回って、自分も急いで避難しました。

家はすべて津波に流されました。その後2か月は避難所生活でしたが、避難したころ、一番困ったのは着替えがないこと。特に下着は深刻で、5日間おふろに入れずとても不快な思いをしました。寒い季節だったからよかったけれど、あれが汗をかく季節だったらどうなっていたことかと思います。

震災5日目になって、義姉の家でおふろに入れてもらおうと思えたのは、下着が支給されたからです。きれいな下着なしではおふろに入る気にもなれません。

今では、いざというときの避難用のリュックを玄関に用意していますが、その中にはきれいな下着が1組、しっかりと入っています。「非常用持ち出し袋には下着1組を」。これが震災の教訓です。

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