活動時間は15分 ~消防団員も自身の安全の確保を~

東日本大震災(平成23年3月)

活動時間は15分 ~消防団員も自身の安全の確保を~

宮古市 50代 男性 消防団員

活動時間は15分 ~消防団員も自身の安全の確保を~のイラスト
インタビュー日:2012年9月9日

震災前に見せてもらった津波のシミュレーションの映像で、津波が田老(たろう)の堤防を軽々と越え、家々が津波にのみ込まれいく。それが我が家だったので、かなりショックを受けました。訓練で、防潮堤にある高さ2メートルのゲートを閉めに行ったときも、まるで自分の勇気を試されているような感じで複雑な気持ちになりました。

消防団の使命に「住民の安全」と「避難誘導」が課せられていますが、自身や仲間の安全については「危険を感じたら逃げろ」としかなく、消防団としての活動内容は定まっていません。それで、安全に消防団が活動できるルールづくりを決めました。

三陸沖地震の津波は最短20分で来ると、専門家の先生からも聞いていましたので、自分たちの避難時間の5分を考慮すると、地震の直後の15分が避難誘導にかけられる時間です。しかし、この地区には水門が3か所、陸閘(りくこう)が6か所あり、これを閉鎖しなければならない。こうしてできたのが作業時間の「15分ルール」だったのです。

そこで、消防団では住民に素早い避難してもらうよう地域に理解を求めました。もちろん、今回の震災でうちの分団からは犠牲者を1人も出さずに済みました。全国に、この15分ルールをほかの消防団に紹介できていたら、消防団員の犠牲者は、もっと少なくて済んだのではと。それが、残念でなりません。

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