被災者だけど弱音を吐けず

東日本大震災(平成23年3月)

被災者だけど弱音を吐けず

浦安市 30代 女性 市役所職員

被災者だけど弱音を吐けずのイラスト
インタビュー日:2012年9月3日

私は保健師で、市の職員向けに健康管理をしていました。介助者が必要な職員や、庁内でけがをした職員の手当などです。職員である私たちには、市民の安全を第一に考えなければなりません。そのために献身的に働く職員のために、安全な場所を確保、健康管理を気遣うことは重要です。それと「市の職員も被災者」であることを、つい忘れてしまいがちですが、家族の安否確認ができない中で、市の業務をこなさないとならないつらさも理解できるからです。

夫婦で市職員だと、学童保育も閉鎖されているとこどもの預け先を探すことが困難でした。いつになったら休めるのか、先の見えない中で業務をこなしながら不安感を抱いていらしたことも事実です。持病のある職員は長期間の薬の処方がされていないとか、治療中断ということも。食事制限をしている方も大変だったと思います。ぜんそく治療中の職員は薬がなくて発作が起きないかとひやひやしました。

実際、時間外業務は何百時間と続き、市民からの苦情などで精神的ストレスを抱える職員も出始めました。しかし、弱音は吐けない。ふだん事務職の職員が慣れない復旧作業で骨折したケースもありました。また職員間でも衝突が起き、ふだんよかったチームワークに影響が出たところもありました。そこで、日本赤十字社で作成している「災害時のこころのケア」というマニュアルを参考に「健康だより」の号外を発行しました。これは職員にとっても励みになったと思います。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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