「土地勘のない場所では、携帯電話のナビだけが頼り」

東日本大震災(平成23年3月)

土地勘のない場所では、携帯電話のナビだけが頼り

(横浜市 20代 男性 会社員)

震災の日は、4月から勤める会社の研修で、朝から東京タワー近くのビルにいました。余震も続いたので、外に避難しましたが、周りのビルの窓ガラスが落ち、粉々に割れているのが目に留まりました。揺れも収まり、会社に戻りましたが、歩いて帰れる人は、次々と会社を出ていきます。

私は、会社初日ということで、このあたりに土地勘がなく、どう帰ったらいいかわからぬまま、夜10時半頃、とりあえず会社を出ました。目指すは、中目黒に住む友人の家です。

多くの人が歩いていますが、その流れは、どこに向かうものか見当もつかず、バス停の行く先や道路標識を見ても「中目黒」と書いてあるわけでもなく、頼りになるのは携帯電話のナビだけ。ナビの示す最短ルートは、日比谷線沿いの道。全く人が通らない細い道もありましたが、ちょっとでもナビのルートを外れる心の余裕がありません。

途中、無料でお茶や食べ物を配っている個人商店と遭遇。勇気をもらい、3時間ほど歩いて中目黒へ。結局、電車が動いていることがわかり、友人の家には寄らず、電車で帰りました。

携帯電話のナビには、本当に助けられました。もし携帯電話の電源が切れたら、その場にうずくまって動けなかったと思います。

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