東日本大震災(平成23年3月)
同じ災害は2つとない
~始まったばかりの帰宅困難者対策~
(東京都 40代 男性 消防学校職員)
今回の震災が起こるまで、帰宅困難者の対策はなされていませんでした。現場での臨機応変な対応が必要となります。食料、飲料水、防寒用の毛布、怪我人の治療・・・・・・そして、どうやって皆さんに来ていただくのか。
まずは近隣の状況を手分けして調べると、代々木上原駅の周辺に大勢の人が集まっていることが分かりました。職員が一人一人に声を掛け、看板を設置、ライトアップして避難所のアピールを続けていると、次第に行き場を失った人たちが集まってきたのです。
まずは講堂と教室を開放し、男性と女性に部屋を分けました。仲間同士で一緒に居たいという人もいましたが、セキュリティの問題だと説明すると素直に従ってくれました。また、全員が途中で食料などを買ってきていたので、職員用に備蓄していた食料と飲料水を使う必要はありませんでした。怪我人もハイヒールで歩き続けて靴ずれした女性に絆創膏をお渡ししたくらいで済みました。
結果、今回は無事に帰宅困難の方々を受け入れることができました。しかし、同じ災害は2つとありません。帰宅困難者の対策は始まったばかりなのです。