平成19年台風第9号(平成19年9月)
「避難勧告」を知らせても、誰も避難しなかったアパートの住民
(平塚市 50代 男性)
避難勧告※、避難指示※、僕はそういう区別もわからなかったし、避難勧告が出るなんて思いもしなかった。避難に関する協定を地元の企業と結ばせてもらったということは知っていても、台風が来たから避難しなきゃいけないなんて全然考えてなかったので、電話が来たときには驚きました。
うちはアパートを経営しているので、真っ先に、「アパートの人に知らせなきゃ」と思いました。自分の判断ですけれど、水がくるとすればこの方向。だから、1階の人だけには知らせておこうと、ウインドブレーカーを着、傘をさして家を出ました。
玄関ドアを「コンコン」とたたいて、1軒1軒知らせて回ったけれど、アパートの1階の8軒あるうちの3軒ぐらいは、居留守を使ったか、そもそも出てこない。その他は一応出てきたんだけれども、時間が夜中の3時半でしょう。結果的に、1人も避難には参加しなかったですね。みなさん若くて、お一人の方ばっかりですから、自治会の活動とか、ゴミの件とか、集合住宅でよく問題になるけれど、その端的な例かなという感じはしました。
その後、相模川の水位がインターネットで分かるようになったので、雨が降るとすぐに、今は1メートルだとか、2メートルぐらいだとか、注意して見るようになりました。
※避難勧告とは、その地域の居住者等を拘束するものではないが、居住者等がその「勧告」を尊重することを期待して、避難のための立退きを進め又は促す行為のこと。
※避難指示とは、被害の危険が目前に切迫している場合等に発せられ、「勧告」よりも拘束力が強く、居住者等を避難のため立ち退かせるための行為のこと。