前線による大雨(平成22年10月)
かろうじて写した被災写真~状況を伝えねばとネットで送る~
(奄美市 40代 男性 役場職員)
あの日の朝はいつもどおり役場の支所に出勤しました。特に雨が多い地域なものですから、雨が降り続いているなとは感じていても、さほど気にすることもありませんでした。
午前10時過ぎに立ち往生した車を引き上げる作業に向かう途中、アスファルトが見えないくらい道路が冠水していたため、交通整理にまわることにしました。
午前11時45分ごろには近くの川の水が土手を越えて来るようになり、5分、10分の間に水かさがボンボン上がって来ましたので、近くの診療所の先生たちを支所の2階に避難させるなどしてから、私たちも身の危険を感じて2階に上がることにしました。
それでも、何とか本庁に状況を伝えようと、1階の椅子に上り、デジカメで支所の中に水が入ってくるところを1枚撮りましたが、それ以降は2階、3階から写すほかありませんでした。水は、2メートル40センチぐらいの高さまで来たのです。
写した写真を3枚、同僚のノートパソコンを借りて、インターネットを通じて本庁に送りました。とにかく携帯電話が不通になってからは外部との連絡も一切とれず、水が引くのをただ待つだけという状況でした。