前線による大雨(平成22年10月)
雨降る屋上で数時間~ビニールシートで妊婦さんを守る~
(奄美市 50代 男性 郵便局員)
私は午前中、お客様と打ち合わせをやってたんです。すると昼の12時ごろ「水が事務室の中に入ってきました」と職員から知らせがあったので、打ち合わせを打ち切り、窓口の端末機とか大事な書類をカウンターの上に載せる作業をしていました。そうしたら12時半ぐらいに急に水が増えまして、ひざぐらいの高さになりました。
最初に冷蔵庫が倒れ、ロッカーが倒れ、畳が浮いてきたので、もう、局内から出ないといけないという判断をしたのですが、水圧で出入口のドアが開かず、全員が窓をつたって屋根の上に上がりました。
そこに避難したのは8名ほど。そのうちの一人が妊婦さんだったのです。とにかく妊婦さんの体を冷やしてはいけないと思っていたら、隣の役場の課長さんが見てくれていたので、何か手段はないかお願いしました。ビニールシートがあるとのことで、ロープを投げてもらい、数メートル離れたところからビニールシートや毛布をたぐり寄せ、それで雨をしのいでいました。
雨も止み、少し水が引いてきた午後4時半ごろになって、市内にあるマングローブパークの方がカヌーで来てくれたので、まず妊婦さんを乗せて、役場の方に避難してもらいました。
あまり思い出したくはないのですが、今回の災害を経験してから、いろんな状況を想定できるようになりました。当時なかった屋根に上る階段も、今は設置してあるんですよ。