「地下浸水防止は地域ぐるみで」

福岡水害(平成15年7月)

地下浸水防止は地域ぐるみで
~駅周辺のビルと連携、訓練も~

(福岡市 50代 男性 地下鉄職員)

博多駅は、地下道でつながっている『接続ビル』が多い駅なんですよ。地下鉄の入口は止水板※とかで水の浸入を防ぐことはできるけど、隣接したビルの一ヵ所でも水が入ったら、地下鉄はどうしようもありません。当時も隣のビルの駐車場に入った水がドッと押しよせてきました。

で、「地下鉄が一番低いんだから、そっちへ水やっとけ」っていう考え方じゃなくて、「何かあった時にはお互いに連絡をとりながら対応しましょう」ということで、周りのビルとのネットワークを作りました。地下街はもともと防火に対する意識が高く、防火管理協議会という組織ができあがっていましたから、それに水害対応を加えたかっこうです。

「洪水になりそうだよ。うちは止水板をするから」という情報を流したら、皆さんが「そういうことなら、うちも止水板をたてよう」っていうような、情報交換のシステム作りを進めていますし、緊急事態になると人はどうしても慌ててしまいますから、こういう場合はどこに何を連絡するかといった訓練も合同でやっています。

1ヶ月に1回の訓練でも、やれば少しずつ身に付いていくものだと思っています。どこの都市でも地下空間がどんどん拡がっていますから、連携して水の浸入を防ぐことがますます大事になると思いますね。

※止水板とは、建物や構内の出入口に設置して、水の浸入を防ぐ板のこと。

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