「アクセル踏みつづけ、必死の運転」

福岡水害(平成11年6月)

アクセル踏みつづけ、必死の運転
~車はマフラーに水が入ったらおしまい~

(福岡市 50代 男性 タクシー運転手)

空港通りを行くと、博多駅前は大雨のために既に『通行止め』となっていました。「やばいな」とは思ったけれど、空港まで人を迎えに行くことになっていたので、違うルートで行くことにしました。

車の心臓部は電気で動くコンピューターのようなものですから、水が入ったらおしまいなんですよね。万一、マフラー※から水が入ったら、車はすぐにストップしてしまいます。

だから、アクセル※ペダルを離さずに踏み続け、クラッチ※で調整をとるというやり方で、タイヤの半分ぐらいまで水に浸かった道路を運転してゆきました。ちょっとでもブレーキを踏んだら終わりですからね。もう、必死ですよ。

でも、これはマニュアル車(手動運転)だったからできたことで、オートマチック車(自動運転)が主流の今では、そういうやり方は通用しません。構造的にできませんからね。

だから、普段から水が溜まりやすい道路かどうかといったことを頭に入れておき、少しでも危険を感じたら、引き返す勇気も必要だと思います。

※アクセルとは、自動車の、足で踏んで速度を調節する装置(加速機)のこと。

※マフラーとは、オートバイ・自動車などの消音装置のこと。

※クラッチとは、エンジンの回転する力をタイヤへ伝えるのか、伝えないのかを選択する装置のこと。

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.