平成15年梅雨前線豪雨(平成15年7月)
進入禁止のお願い聞いてもらえず
~大切な「土のう」運びも渋滞に~
(福岡市 40代 男性)
私は消防団に入っておりまして、当日朝5時ごろ、消防団のほうに、とにかく出てこいという指令が入りまして、川の現場のほうに行ったんです。もうその時には、道路がすねぐらいまで浸水している状態でした。
消防団には、とにかく車を近づけないようにという指示が出ましたので、みんな懸命に車を止めようとしても、なかなか皆さん言うことを聞いてくれなくて、車は来るばっかりで、周りがパニック状態になっていました。
6時過ぎに川が決壊して、いったんひざ上ぐらいまで水が来ましたが、しばらくして水が引き出すと、今度はトラックで土のう ※ を運ぶということになりました。で、家に走って帰って、消防のほうで備蓄していた土のうを自分のトラックで川まで運ぼうとしましたが、いかんせん、個人のトラックですからだれも道を譲ってくれません。
先頭に消防車は1台いるけれども、その後にトラックが何台も続くものですから、それに紛れてほかの人がどんどん入ってくるんです。ほんとうに、緊急の場合に何を優先するかという意識が無いなと感じました。
※土のうとは、布袋の中に土砂を詰めて用いる土木資材のこと。適宜、土砂を詰め、袋を縛り積み上げることで、水や土砂の移動を妨げることができることから、堤防の水止めなどに使われます。