前線による大雨(平成24年8月)
救助する側が救助ヘリで帰還~思いもよらなかった状況の悪化~
(宇治市 50代 男性 消防署職員)
土砂崩れで消防車両が通れない状態になり、先に隊員だけが徒歩で入ったという知らせを受け、消防団の副団長と一緒に車で行けるところまで行って、そこから現地まで1時間半ぐらい歩いて現地にたどり着きました。激しい雨が降る中、一歩進んだら股の辺までズボッと入るような状況のところを2か所、3か所と歩いて越えて行きました。
先に救助隊が入って救助活動をしてくれていましたので、私は食料をヘリで運んでもらう段取りをしたり、食料到着後の区分けなどの作業をしたりしていました。
ところが、そうこうしているうちに、集落との間の土砂災害の状況が当初よりもきびしくなってきたため、徒歩で帰るのは危険ということになり、暗くなる前に隊員等も含めて、救助ヘリで吊り上げてもらい、何とか夕方にこちらの方へ帰れたっていう状況でした。
「孤立して救助を求めている人がいる」という情報を受け、とにかく現地へと出かけたわけですが、「災害の状況がもっとひどくなって自分たちが帰れなくなるかもしれない」とは、思ってもいなかったのです。
kkh26012