平成16年台風第23号(平成16年10月)
洪水翌日、「とにかく負けるな」と社員にメール
(豊岡市 50代 男性)
翌日、会社に行ってみると、8棟ある会社の建物がすべて床上浸水で、最も深いところで床上78センチ、ちょうどミシンのテーブルまで浸かっておりまして、水が引いた室内はどこも泥をかぶった状態でした。
洪水の晩は社員といろいろ連絡をとりあっていたので、携帯電話の電池も切れてしまいました。社員の安否のことが気になっていましたが、社内の緊急連絡網があるのですが、停電で電話が使えませんでした。
同級生のガソリンスタンドに電気がついていたので、そこで充電をさせてもらいながら、社員にメールを打ちました。「とにかく負けるな」と。
メールのアドレスが分かっている社員全員に、明日の朝から工場をやること、長靴をはいてくること、現在の状況を知らせてくれということを、連絡先がわかっている人全員に伝えてくれるよう頼みました。そして私は、この先どうやってやろうかと、一晩中考えていました。
次の日、200名いる社員のうち80名弱が出てきてくれましてね。みんなで掃除をして、白い床が見えたときには、涙がでました。