「再現映像で震災の光景一気に思い出す」

阪神・淡路大震災(平成7年1月)

再現映像で震災の光景一気に思い出す

(神戸市 20代 女性 学生)

地震から数日後、小学1年生だった私は、おじの家を見に行くという父についていきました。電車は止まったままでしたから、「線路が一番広くて安全」ということで、途中まで線路の上を歩いて行きました。普段は入れない線路の上を父と手をつないで歩いたので、安心なのと楽しい気持ちだったことを覚えています。被災後は、いつもは仕事や大学で帰ってこない父親や兄と、毎晩のようにトランプをしたりして、私にとってはある意味で望んでいた日常でした。

その私が、神戸の「人と防災未来センター」で震災直後の再現映像を見たときに、2駅分の線路を父と歩きながら見た一番生々しい光景を一気に思い出し、気を失って倒れてしまったんです。

行く手の向こうには火の手が見えていて、おじの家にたどりつくと、周りの家はほとんど焼け落ちてガレキ。人々が道路で固まって暖をとったり、公園のテントの横でたき火をしていたりで、いつもならいないはずのおとなたちが、そんな所に集まっているというのがすごく衝撃的でした。6千人以上の人が亡くなったという現実がわかる高校生になって、いきなり思い出してしまったので、「自分は何ていうものを見たんだろう」と。

それだけの人が亡くなった中で、自分が生きのびて、これから何をしたらいいのかなと考え、大学のサークルなどで震災の経験を伝える活動に関わることになりました。

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