「119番通報パンクでお手上げ」

平成16年台風第23号(平成16年10月)

119番通報パンクでお手上げ

(福知山市 50代 男性 市役所職員)

台風の影響で雨風が強まっていました。私は市役所の消防本部につめていて、119番通報されてきた方の電話番号を消防署からバトンタッチして受け取って、その人に電話するということをやっていました。ある時を境に、消防署への通報がパンク状態になってしまったからです。

私が「もしもし」と言った瞬間に、「助けてください!」という声がして、「今どちらですか?」と聞いたら、「どこかわからんけど、とりあえず電柱にしがみついとる」と。仕事で車を走らせていたら急に水が出てきて、車の屋根に逃げたけれど、どんどん水が増えて、車は流れていってしまったと言うのです。

「もう少し上へ上がれますか?」と聞いたら、「まだもうちょっとあるので上がれます」と。その頃は増水中でしたので、「できるだけ上へ上がって頑張ってください」というほかなく、後で、消防隊に連絡をとり、大体の場所を教えて何とか救助してもらいました。

一日そんなやりとりばかりしていたのですが、車の上に取り残されたまま連絡がとれなくなった人のことがずっと気になっていたので、明くる日、上司に頼んで、1隊編制してもらい、警察官の方と一緒に捜しました。

ようやく捜しあてた時、その人はずぶ濡れで、農家の土間のあがり口で休んでいました。「大丈夫ですか」と言ったら、「うん」と。それでやっと、「ああ、助かったんだなあ」と胸をなでおろしました。

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