「入れ歯流され、体調こわすお年寄り」

平成17年台風第14号(平成17年9月)

入れ歯流され、体調こわすお年寄り
~同じ目線で気持ち汲みとる~

(岩国市 40代 女性 看護師)

私は看護婦ということは前面に出さずに、「同じ地域の住人ですよ」という姿勢で活動していました。「薬が流れた」っていう話が出れば、「何の病気なの?」と聞く。たまたま免許を持っていたという感じで。

食べる所は1階、寝る所は2階でしょ。洗浄液に浸けた入れ歯は下の洗面に置いてあるから、水で流されてしまって、食べようと思っても歯がないっていう人たちもいました。

2~3日で歯が入れば問題ないかっていうとそうじゃなくて、その2~3日のあいだに食べる物がいつもと違うとなると、私らが体調を取り戻すよりも高齢の方はかなり時間が掛かるし、実際にそれがきっかけになって後々体調を崩すおじいちゃん、おばあちゃんがたくさんいました。

「食べれんかもしれん。よう食欲は無いけぇ」、「でも、食べにゃいけんよ」という会話の後で、よく事情を聞けば入れ歯が流れたということでね。同じ目線に立たないと被災者の方からなかなか近づいてくれません。気持ちを汲んでやるのが精一杯でした。

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