「段ボールの切れ端片手に近所の安否確認」

平成12年(2000年)鳥取県西部地震(平成12年10月)

段ボールの切れ端片手に近所の安否確認

(鳥取県日野町 70代 男性)

隣町で仕事をしていて、「何だかゴロゴロいうな」と思っていたら、地震でした。気持ちを落ち着かせようとタバコを数本吸って、急いでやりかけの仕事を終えて、車で町に向かったけれど、途中の石垣が崩れて通れず、車を置いたまま歩いて帰りました。

家に戻ってから、家内に頼まれて保育園にいる孫を引き取り、小学校に連れて行って、午後7時過ぎまで預かってもらって、小学生の孫と一緒に家に連れて帰りました。

午後の8時ごろ、地域の皆さんがどこに避難しているか各戸を回って安否確認をしようとしたら、書きとめる紙がなくてね。家の中はガタガタで入れないし、結局、近くの酒屋さんから段ボールをもらって来て、それを破って、家内と2人、上から下まで回りました。

その晩は一睡もせずに、区域内を巡視して周りましたが、それは消防団のOBとして自発的にやったことです。災害が発生した時に行方不明の人が出ないようにすることが一番大事ですからね。

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