「空港の水没、「そんな馬鹿な」」

平成11年台風第18号(平成11年9月)

空港の水没、「そんな馬鹿な」
~忘れられやすい犠牲者ゼロの災害~

(宇部市 50代 男性 記者)

空港が浸かっているという話が入ってきたので、行ってみると、ものの見事に、車の屋根が隠れるほど水に浸かっていました。車高が高い車の屋根は見えるけれども、辺り一面泥水で、歩いて行くと、ゴツンと車に当たるという具合でした。

東京では宇部空港のことは報道されず、東京に出張していた社員が羽田で待っている時に、どこかの空港が海に沈んだという話が聞こえてきて、「そんなバカなことがあるか」と思いながら、帰ってきてみたら、空港の近くに留めていた自分の車の中から魚の死骸が出てきたという笑えない話もありました。

そして数日後、東京の業者がこちらの台風の被害を全く知らなかったのには、おどろきました。同時期に他県で何人も亡くなった方が出た災害が起こっていたこともあると思いますが、こちらのことについてはほとんど報道がなかったんです。高潮で実際にどれだけ人々が苦労して、困っているかということがね。

全国ニュースは、台風も終わって3日もたつと、何事もなかったかのように別の話題に移ります。やっぱり報道というのは東京中心。「冷たいな」と感じましたね。

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