「間に合わなかった急傾斜対策」

平成11年6月末梅雨前線豪雨(平成11年6月)

間に合わなかった急傾斜対策
~測量開始が一週間前~

(呉市 70代 女性)

あの日は、山から小石がコロコロ流れ出していたんです。小石が流れ始めると山が崩れるって聞いていたから、心配して隣の家の様子を見に行きました。そしたら、隣の家の裏がすっごい滝になっていたんです。私は見た瞬間に、「あ、これ危ないよ、避難せにゃいけんわ」って言ったんですが、家の人に「なあに、大丈夫よ」って言われて、私は怖くて家に戻りました。

帰ってしばらくしたら、ズズズズ、ドーンいう音がしたんです。土砂崩れが起きるなら、うちの裏か隣の家と、以前からわかっていたので、窓から隣の家を見たら家がないんですよ。3回くらい振り返ってみたんですが、やっぱりない。信じられませんでしたが、流されていました。

うちの裏は急傾斜対策の工事を済ませていたんですけど、隣の奥さんは、ずっと工事に反対していましてね。山の持ち主の許可もあって、とうとうご主人が印鑑をついて、ちょうど山が崩れる一週間くらい前から、業者が測量を始めていました。「ああやっぱり工事するんやな」と思って安心していたんですが、間に合わなくて残念でした。

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