平成16年7月新潟・福島豪雨(平成16年7月)
「堤防が切れた」の意味分からず
(三条市 40代 男性)
あの日、雨が気になったので、役場に行って気象レーダーを見ていましたが、山のあたりにあるアズキ色の雨雲がずっと動かないのです。
「これは大変だぞ」と口々に言っていたとき、役場の職員が「堤防が切れたぞ!」と言ったのです。私は、その声を聞いても、「堤防が切れた」ということが何を意味するのか、全然わかりませんでした。
小さいころ隣町に住んでいて水害にあっていますけれども、小学校1年ぐらいだったので、上流からお菓子の入ったでっかいふくろが流れてきて、近所で分け合ったとか、親戚が集まって賑やかだったとか、申し訳ないけれど、そんな楽しい思い出しかないのです。
強いてあげれば、夏休みの宿題のアサガオが流されて悲しかったことぐらいですから、いかんせん、堤防が切れたらどういうふうになるのか、まったく想像できなかったのです。