記者発表資料
京阪神都市圏広域防災拠点整備検討委員会(第六回)における議事概要について
平成15年3月13日(木)
内閣官房都市再生本部事務局
内閣府(防災担当)
国土交通省近畿地方整備局
- 1 経緯
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都市再生プロジェクト第一次決定(平成13年6月・都市再生本部)において、「大阪圏においても基幹的広域防災拠点の必要性も含め、広域防災拠点の適正配置を検討する」ことが決定されました。
これを受け、内閣府(防災担当)と国土交通省近畿地方整備局を事務局として、有識者、関係省庁と関係府県市による検討委員会を設置し、京阪神都市圏における広域防災拠点の整備・連携のあり方について検討を進めています。
本日3月13日(木)午後1時より開催された同委員会(第六回)では、合同現地対策本部への参集に関するケーススタディの検討結果や重篤者の医療搬送、広域支援部隊の投入に関するケーススタディの検討状況、及び京阪神広域防災拠点整備基本構想(案)スケルトンなどについて議論がなされました。 - 2 委員会で議論された具体的事項
- (1) 合同現地対策本部への参集に関するケーススタディの検討結果について
- 想定地震ごとに、基幹的広域防災拠点に設置される合同現地対策本部への中央省庁、被災府県(市)からの一定条件下での参集時間を算出したところ、3つの配置候補ゾーンへの参集時間の違いはほとんどないとの検討結果について議論した。
- (2) 重篤者の広域搬送に関するケーススタディの検討状況について
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想定地震ごとに機能すべき広域防災拠点の配置候補ゾーンを選定し、発災後72時間以内の重篤者の広域搬送について、ヘリコプター・固定翼機の運用をシミュレートし、各配置候補ゾーンの必要規模を算出した。
しかしながら、被災府県ごとの運用を想定した場合一カ所に過大な負担がかかることが分かったため、広域防災拠点ごとのヘリコプター等の運用を平準化することとし、再度ケーススタディを実施する旨事務局より説明し、次回再度議論することとした。 - (3) 広域支援部隊の投入に関するケーススタディの検討状況について
- 想定地震ごとに、機能すべき広域防災拠点を選定し、活動要員の必要量に応じた警察・消防の投入計画(概略)を作成のうえ、警察・消防の一時集結地としての広域防災拠点(自衛隊は駐屯地に一時集結)及びその必要規模について算出した検討結果について議論した。
- (4) 京阪神都市圏広域防災拠点整備基本構想(案)スケルトンについて
- 京阪神都市圏における基幹的広域防災拠点の必要性、広域的オペレーションの展開を踏まえた広域防災拠点の適正配置、広域防災ネットワークの整備等に関する基本構想(案)のスケルトンについて議論した。
- 3 主な意見
- <ケーススタディに関する意見>
- ・ 基幹的広域防災拠点への参集時間については、発災後の参集システムが整備されていることを前提としているが、それがうまくいかない状況も考慮に入れるべきではないか。
- ・ 基幹的広域防災拠点への参集時間のシミュレーションだけで基幹的広域防災拠点の配置を考えるべきではない。
- ・ 基幹的広域防災拠点は、本部要員だけではなくそれを支える活動人員の集合の容易性や情報の集約・分析やヒトの集結・モノの集積・中継を考慮して、ある程度のヤードを持った場所を被災したその時々の状況に応じて考えるべき。
- ・ 情報通信網が理想的に完備された状況であればその時々で場所を決めればよいが、実際にはなかなか難しいため、あらかじめ場所を決めて、そこでの情報通信や交通のネットワークを整備しておくことが必要。その意味で、提示されている3つのゾーンでいいと思う。
- ・ 広域支援部隊の投入に関するケーススタディについて、警察・消防・自衛隊だけでは投入量が不足する場合どうするのか。
- ・ 広域支援部隊の投入に関するケーススタディについて、警察・消防と自衛隊では、初動の早さや部隊装備・活動にそれぞれの特性があることから、これらを考慮して総合的な投入計画とすべき。
- ・ 発災後1日目の状況と1週間後の状況とは大きく異なるので、明確にしておく方がよい。
- <基本構想(案)スケルトンに関する意見>
- ・ 多核・分散型である京阪神都市圏の都市構造を踏まえ、被災府県間の相互連携を重視するという首都圏とは異なった地域特性を述べることが必要。
- ・ 基幹的広域防災拠点=災害対策活動のヘッドクォータとしての役割をより明確化して記述した方がよいのではないか。
- ・ 整備における「主導的な役割」の意味は、防災計画の策定やオペレーション上・運用上の役割、財政的な役割など様々な役割があり、必ずしも費用負担ということだけではない。
- ・ 地域的オペレーションと広域的オペレーション、広域防災拠点と基幹的広域防災拠点の違いをもっときめ細かく記述した方がよい。
- ・ 合同現地対策本部における総合調整の仕組みについて、分かりやすく記述した方がよい。
- 4 今後の予定
- 合同現地対策本部への参集に関するケーススタディを含む基幹的広域防災拠点の配置に関する考え方の整理、重篤者の広域搬送・広域支援部隊の投入に関するケーススタディを引き続き実施し、結果について次回委員会(3月31日(月)予定)で議論いただくとともに、国土交通委員会・厚生労働委員会によるケーススタディ結果等を踏まえ、アウトプットとして「京阪神都市圏広域防災拠点整備基本構想(案)」(素案)を提示することとしています。
- 5 委員会(第六回)の概要
- (1) 日 時 平成15年3月13日(木) 13:00−15:15
- (2)
場 所
グランキューブ大阪(大阪国際会議場) 会議室1009
大阪市北区中之島5−3−51 TEL:06-4803-5555(代表) - (3) 検討委員会の構成
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吉川委員、甲斐委員、加藤委員、酒巻委員、土岐委員、中野委員、中林委員、
松本委員、室崎委員、内閣官房、内閣府、警察庁、防衛庁、郵政事業庁、消防庁、
財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、
気象庁、海上保安庁、国土地理院、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、
和歌山県、京都市、大阪市、神戸市、都市再生本部(オブザーバー)
- 問い合わせ先
- <検討委員会に関すること>
- 内閣府 地震・火山対策担当
- 田中政幸・中安祐介
- TEL:03-3501-5693(直通)
- 国土交通省近畿地方整備局 企画部
- 小口 浩
- TEL:06-6944-1655(直通)
- <都市再生本部に関すること>
- 内閣官房都市再生本部事務局
- 朝堀泰明
- TEL:03-5510-2172(直通)