中央防災会議「東南海、南海地震等に関する専門調査会」(第6回)議事概要について

記者発表資料

中央防災会議「東南海、南海地震等に関する専門調査会」(第6回)議事概要について

中央防災会議事務局(内閣府(防災担当))

1.専門調査会の概要

  • 日  時:平成14年11月21日(木)10:00〜12:00
  • 場  所:虎ノ門パストラル 新館4階 「プリムローズ」
  • 出席者:土岐座長、今村、入倉、河田、島崎、廣井、翠川、吉井の各専門委員、
    山本内閣府政策統括官(防災担当)他

2.議事概要

事務局から資料をもとに説明があった。
上記に関連して、各委員からは以下のような意見等が出された。
なお、詳細な議事録については、後日各委員の確認を経たのち、公表の予定。

  • ○ 強震動分布の検証は、過去の震度分布により行うしかなく、それにあわせるようにするべきではあるが、
    最近の地球物理学的な見解も取り入れるべき。
  • ○ 最終的な強震動分布の推定に当たっては、科学的根拠のある範囲でいくつかの任意点にアスペリティーをおいて検討すべき。
  • ○ 歴史地震の被害分布については、古文書等に立ち戻ってどういう記述で震度を決めているか検討し、信頼性の高いデータにあわせるようにすべき。
  • ○ 歴史地震の被害については、一つの記述をもってその地域のものとしてしまうと、細部にとらわれすぎという結果になるのではないか。
  • ○ 津波波高分布については、「東海地震に関する専門調査会」で行ったのと同じレベルでのアウトプットがなければ地方自治体における津波防災対策の検討を行うに当たって困るのではないか。
  • ○ 南海地震では、津波は瀬戸内にまで入ってくるため、計算時間を長時間とって検討すべき。
  • ○ 津波浸水計算にあたっては、人口の多いところを中心に、埋め立てなどにより過去の地震が発生したときと地形が変化していることに注意すべき。
  • ○ 津波の評価については、過去の地震による津波の高さにあうようにすぐに震源モデルを見直すよりも、まずは精度の高いデータと計算結果を比較するなど慎重に検討することが必要。
  • ○ 津波被害については、陸上における被害だけでなく、船舶や漁業被害など海域での被害も考慮すべきであり、流速の最大値のデータも出すべきではないか。
  • ○ 宇和島や土佐湾などでは、地殻変動により陸地が沈降し、津波が引いた後も海水に浸かりっぱなしという被害も考えられるが、それへの対策が必要かどうかということを検討するためにもどれくらいの被害になるのか調査しておくべき。
  • ○ 近年の被害地震にはプレート境界型のものはなく、被害については阪神・淡路大震災など直下型地震の記録をもとに想定しているものが多いが、東南海、南海地震等のプレート境界型の地震の被害想定には直下型の地震で作った関係式は使えないものもあるのではないか。
  • ○ 津波の死者数に関して、日本海中部地震、北海道南西沖などの結果から浸水エリア内滞留人口をもとに計算しているが、計算に用いている補正率について検討すべきではないか。
  • ○ 建物の被害率については、木造より非木造の方が高さや、年代によるバラエティが大きいと考えられるので、揺れの強さと被害の関係について、低層と高層、旧耐震基準と新耐震基準の4つくらいに分けて検討したほうが良いのではないか。
  • ○ 被害想定の使い方について、被害想定の結果が一般の方の地震に対する認識を変化させることができるようなことも考えるべき。
  • ○ 高層建築物など安政の東海地震、南海地震が発生したときに存在していなかった構造物に対して、
    長周期の地震動によりどのような被害が想定されるか検討すべき。
  • ○ 都市域の地下街における津波浸水災害等新しいタイプの被害シナリオについても想定するべき。

次回は、12月24日(火)10:00〜12:00に開催予定(場所未定)。

  • <連絡・問い合わせ先>
  • 内閣府 地震・火山対策担当参事官補佐   齋藤 誠
  • 参事官付主査   富田浩之
  • TEL:03-3501-5693(直通)FAX:03-3501-5199

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内閣府政策統括官(防災担当)

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