第2回地震被害に関する検討委員会 議事要旨平成13年2月21日内閣府・気象庁2月21日午前10時00分より、虎ノ門パストラル新館6F藤において、第2回地震被害に関する検討委員会が開催された。議事は(1)地震被害早期評価システム(EES)の修正方針等について、(2)最近の地震における震度階級と住家被害の関係調査について等であり、その概要は以下のとおりである。1.委員の出席状況廣井委員が欠席のほかは、全員が出席であった。なお、坂本委員(腰原委員代理)、向田委員(吉本委員代理)は代理出席であった(括弧内は代理出席者)。2.議事の概要○ 事務局からEESの修正方針及び最近の地震における震度階級と住家被害の関係調査について説明があった。○ 次回委員会までに、(1) 建物被害率テーブルについては再度を修正し、検証を行うことと(2) 阪神・淡路大震災以降の地震(震度6弱未満を含む)による建物被害の検証を行うこと(3) 震度については、震度階級と住家被害の関係に関するデータを収集し検討を行うこと等とされた。3.その他次回の委員会の日程については、3月12日とされた。* なお、委員会資料については、ご希望があればお渡ししますので、下記問合せ先までご連絡下さい。
問い合わせ先
内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(地震・火山対策担当)付
福島、池本 ℡ 5253-2111 内線 51411 直通 3501-5693
気象庁総務部企画課
横田 ℡ 3212-8341 内線 2225 直通 3214-7902
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加藤 ℡ 3212-8341 内線 4509 直通 3211-8684○ 主な意見・ 震度分布の推計については、表層地質の影響を考慮して地表の震度を推計する方法(基盤コンター法)と地表の観測値のみを用いて推計する方法(地表コンター法)を比較すると、前者の手法では推計値が過大に評価される可能性がある。鳥取県西部地震では、地表コンター法が、より実態に近い推計値と思われる。・ 地表コンター法では、計測された震度以上の震度は推計しないため、兵庫県南部地震では震度7を推計できないなど問題点も残る。地震計の設置地点の増幅率も含め検証が必要である。・ 今回提案された建築物被害率テーブルでは、震度の小さい値で推計誤差が大きくなっており、ある程度以下の震度では被害が出ないというように改善すべきではないか。・ 人的被害の推計の観点から、建物の被害を全壊と倒壊に整理したのはよい。但し、人的被害を推計するための実態データは少ないため、別の方法も検討が必要である。また、全壊と倒壊の区別をより明確になるようにしてほしい。今後の長期的な課題として、精度を上げていくには人口滞留や地域差等様々な要因を考慮する必要がある。・ 地震による建築物被害がある大きさ以上の揺れ(境界値)から発生する。境界値付近の被害推計を正確に行うことは難しく、被害推計には幅を持たせるなどの検討が必要である。・ 震度については、最近の地震被害を踏まえ震度階級関連解説表の書き方を工夫する等何らかの改善が必要と思われるが、どのような問題があるかについて、引き続き震度階級と住家被害の関係に関するデータを収集・分析する必要がある。但し、震度の検討については、影響が多方面に渡ることから、時間をかけ慎重に行う必要がある。・ 被害推計値の公表にあたっては、○〜○までというように幅を持たせた出し方の検討をすべきである。また、震度が6強か6弱かになる境目である6.0等の場合、どちらになるかで推計に大きな差が出てくるため、こうした点についての表現の工夫も必要である。