富士山ハザードマップの作成について

  • 記者発表資料

富士山ハザードマップの作成について

平成13年6月5日
内閣府(防災担当)
総 務 省 消 防 庁
国 土 交 通 省

 富士山においては、昨年10月から12月にかけて、低周波地震が100-200回観測され、その後30回程度まで減少していましたが、4月以降再び多発しました。震源は深さ15km程度で特に変化はなく、地殻変動の変化が特に観測されておらず、5月28日に開催された火山噴火予知連絡会において、ただちに噴火等活発な火山活動に結びつくものではないとの見方が示されています。

 政府としては、火山活動状況を踏まえた効果的な防災機関の活動や、住民等への正しい情報の提供等により、的確な防災対策を進めるため、平成3年度に国土庁(現・内閣府防災担当)での火山ハザードマップ(被害想定区域や避難地・避難路などの防災関係施設の位置、災害時に対応すべき事項等を総合的に表示した地図)の作成指針の策定や地元自治体での作成費に対する補助、建設省(現・国土交通省)による地元自治体への支援・協力など、全国の火山ハザードマップの作成を推進してきたところです。地元自治体と国等の関係機関が協力して、これまでに、全国の主要29活火山のうち18火山でハザードマップが作成され、昨年の3月の有珠山の噴火の際にも事前に住民や防災機関にハザードマップが周知されていたため、住民避難などが円滑に行われるなど有効活用されてきました。

 富士山においても、同様の観点から、平成2年度から国土交通省富士砂防工事事務所が山梨県、静岡県とともに、調査・研究し、「富士山火山防災ハンドブック」を作成し公表するなど、火山防災知識の周知を積極的に進めてきたところです。

 このたび、関係機関が協力して富士山の火山ハザードマップの作成に着手することとなりました。富士山は国内の他の火山に比べ山体が大きく、広域的な防災対策が必要であるほか、次期噴火形態の想定等技術的課題が多くあることなどから、地元自治体と国が富士山ハザードマップ作成協議会を設立し、協力してハザードマップの作成を進めることとしています(別紙-1)

 また、富士山ハザードマップの作成にあたっては、さまざまな見地から十分検討する必要があり、学識者等から構成される富士山ハザードマップ検討委員会を設置し、委員会における検討結果を踏まえ、ハザードマップを作成することとしています(別紙-2)。なお、検討委員会は、噴火規模・様式や火山活動異常時の対応等についての検討を、火山噴火予知連絡会富士山ワーキンググループと連携して進めることとしています。

 また、これまで作成された火山ハザードマップでは、被害予想区域を示すにとどまっているものもありますが、富士山ハザードマップでは、一般への周知、防災機関での活用や、火山と共存する安全で活力のある地域づくりに十分配慮したものを目指すこととしています。

 富士山ハザードマップ作成協議会は6月に開催し、その後速やかに検討委員会を開催し、平成14年度末を目途にまとめていく予定です。また、それ以前でも、検討委員会で整理された成果等で防災対策等に活用できるものについては、適宜協議会に報告し、防災対策に反映できるよう進めることとしています。

なお、内閣府では富士山ハザードマップ専用のホームページ(http://www.bousai.go.jp/fujisan)を設け、広く情報をお伝えしていく予定です。

問い合わせ先
内閣府 参事官(地震・火山対策担当) 布村 明彦 (03−3503−5692)
  〃  付 主査 西宮 隆仁 (03−3501−5693)
総務省消防庁防災課 課長補佐 長尾 一郎 (03−5253−7525)
国土交通省河川局
砂防部砂防計画課
砂防計画調整官 南 哲行 (03−5253−8111 内36−102)
課長補佐 伊藤 仁志 (      〃      内36−152)

富士山ハザードマップ作成協議会

  • 別紙1
  • 富士山ハザードマップ作成協議会について(案)
  • 1.目的
    •  火山活動に伴う火山周辺地域で起こる被害を軽減する上で、的確に避難誘導や各種防災活動を行うことが不可欠である。また、火山活動を見据えた安全で活力のある地域づくりを進めることが必要である。 富士山についても、火山災害の事前評価を行い、住民へ正しい情報を提供すること、広域的な防災対策の必要性を踏まえた防災計画を策定すること、火山と共存する地域計画等を検討することは重要である。 このため、周辺住民、観光客の富士山の火山活動に対する認識の向上を図るとともに、行政側が策定する各種防災対策の基礎とするために、富士山の火山ハザードマップ(以下、富士山ハザードマップ)を作成する必要がある。 このため、より的確なハザードマップを作成するとともに、効果的な活用を図るための協議会を関係機関で設立する。
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  • 2.協議会の構成
  • 山梨県、静岡県、神奈川県
    富士吉田市、河口湖町、上九一色村、山中湖村、鳴沢村
    御殿場市、裾野市、富士市、富士宮市、小山町
    小田原市、秦野市、南足柄市、山北町、箱根町
    内閣府(防災担当)、総務省(消防庁)、国土交通省(河川局砂防部、気象庁、関東地方整備局、中部地方整備局、東京管区気象台)
    (オブザーバー 東京都総務局災害対策部)
  • 3.協議会の事務
    • ①富士山ハザードマップの作成
    •  学識者等で構成する富士山ハザードマップ検討委員会を設置し、当該委員会の報告をもとに、平成14年度末を目途に富士山ハザードマップを作成する。
    • ②各種防災計画等への反映
    •  作成された富士山ハザードマップの内容を、各機関はそれぞれが所管する防災計画等に反映する。
    • ③富士山ハザードマップの周知等
    •  効果的な防災対策を行うために、作成された富士山ハザードマップの一般住民等への周知を図る。
  • 4.事務局
  •  本協議会の事務局を山梨県、静岡県、神奈川県、内閣府、総務省、国土交通省に置く。
  • 5.設置期間
  •  本協議会は、平成13年○月○日に設立し、富士山ハザードマップの作成が終了するまでの間、設置する。

  • 別紙2
  • 富士山ハザードマップ検討委員会について(案)
  • 1.目的
    •  火山活動に伴う火山周辺地域で起こる被害を軽減する上で、的確に避難誘導や各種防災活動を行うことが不可欠である。また、火山活動を見据えた安全で活力のある地域づくりを進めることが必要である。 富士山についても、火山災害の事前評価を行った上で、広域的な防災対策の必要性を踏まえた防災計画を策定すること、火山と共存する地域計画等を検討することは重要である。また、住民や地域社会に対し、正しい情報を提供することが必要である。 このため、周辺住民、観光客の富士山の火山活動に対する認識の向上を図るとともに、行政側が策定する各種防災対策の基礎として活用できる火山ハザードマップを富士山に整備する必要がある。 そこで学識者等から構成される検討委員会を設け、ハザードマップを作成するための検討を行う。
  • 2.委員会の構成
    • 委員長 荒牧 重雄 東京大学名誉教授(地質)
    • 副委員長 新谷 融 北海道大学農学部教授(砂防)
    • 委員 池谷浩 (社)砂防学会理事(砂防)
    • 〃 石川芳治 京都府立大学農学部助教授(砂防)
    • 〃 石原 和弘 京都大学防災研究所教授(火山)
    • 〃 井田 喜明 東京大学地震研究所教授(火山)
    • 〃 鵜川 元雄 防災科学技術研究所固体地球研究部門総括主任研究員(火山)
    • 〃 宇都 浩三 産業技術総合研究所地球科学情報研究部門火山活動研究グループ長(地球化学)
    • 〃 小山 真人 静岡大学教育学部教授(地質)
    • 〃 林 春男 京都大学巨大災害研究センター教授(災害・心理)
    • 〃 廣井 脩 東京大学社会情報研究所所長(災害情報)
    • 〃 藤井 敏嗣 東京大学地震研究所教授(火山)
    • 〃 水山 高久 京都大学農学研究科教授(砂防)
    • 〃 宮地 直道 独立行政法人農業技術研究機構野菜茶業研究所葉根菜研究部土壌肥料研究室長(地質)
    • 〃 山崎 登 NHK解説委員(報道)
    • 〃 吉井 博明 東京経済大学コミュニケーション学部教授(災害・経済)
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    • 委員 布村 明彦 内閣府参事官(地震・火山対策担当)
    • 〃 小熊 博 総務省消防庁防災課長
    • 〃 岡本 正男 国土交通省河川局砂防部砂防計画課長
    • 〃 小宮 学 国土交通省気象庁地震火山部管理課長
    • 〃 平嶋 彰英 山梨県総務部長
    • 〃 田邉 義博 静岡県防災局長
    • 〃 友井 国勝 神奈川県防災局長
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    • オブザーバー
    •  山梨、静岡、神奈川の各関係県市町村
    •  東京都総務局災害対策部
    •  防衛庁運用局
    •  文部科学省研究開発局
    •  農林水産省林野庁
    •  国土交通省(関東地方整備局企画部、中部地方整備局企画部、国土技術政策総合研究所危機管理技術研究センター、東京管区気象台、国土地理院地理地殻活動研究センター)
  • 3.事務局
  •  事務局を内閣府、総務省、国土交通省に置く。
  • 4.委員会での検討事項
  •  ①過去の噴火災害実績の既存資料の吟味、調査等
     ②将来の噴火想定(噴火シナリオの想定、噴火形態別予測シミュレーション)
     ③噴火被害の想定(二次的な土砂災害等を含む)
     ④防災機関における情報流通、活用を踏まえたハザードマップのあり方
     (観測監視体制・緊急時災害対応(防災機関の体制、避難計画等))
     ⑤一般住民、民間企業等に対する情報提供、活用を踏まえたハザードマップのあり方
     ⑥ハザードマップとして配慮すべき事項(市民生活、観光等産業と防災対策の共存等)
     ⑦ハザードマップにおけるGISの活用
  • 5.部会
    • ①設置等
       検討委員会の下に、火山災害マップ作成部会、ハザードマップ活用部会を設置する。この他、特に検討を深めるべき事項が生じた場合にも、適宜部会等を設置し、検討する。
       各部会は委員の他に必要に応じて若干名の非委員を入れて構成する。
      ②各部会
       a.火山災害マップ作成部会
        主に、4①-③について検討する。
       b.ハザードマップ活用部会
        主に、4④-⑦について検討する。
  • 6.火山噴火予知連絡会との連携
    •  火山噴火予知連絡会と連携を図り、噴火規模と様式の想定等については、同連絡会での検討結果を適時活用していくこととする。 4④において、火山活動異常時の火山噴火予知連絡会と防災関係機関の連携について検討する。
  • 7.検討期間等
    •  平成14年度末を目途に、ハザードマップを作成するための必要な検討を行い、富士山ハザードマップ作成協議会に報告する。 なお、検討過程で整理され、防災対策に活用できるもの等については適宜、同協議会に中間報告する。

  • 参考資料
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  • 1.火山ハザードマップの整備状況
    •  昭和61年5月、大規模な火山噴火災害を想定した防災対策のあり方を総合的かつ多角的に調査・検討するために、国土庁(現・内閣府防災担当)において学識者等からなる活火山防災対策検討会が設けられた。適切な防災計画の樹立、火山周辺住民等の防災意識の高揚、適正な土地利用の誘導を図るために、火山災害による危険評価手法を確立し、火山噴火災害危険区域予測図(火山ハザードマップ)の整備を進めることが必要との同検討会決定を受けて、平成3年度末に火山噴火災害危険区域予測図作成指針が策定され、全国で活用されている。
       その後、地方公共団体の火山ハザードマップの作成を国土庁(現・内閣府防災担当)が補助し、又、砂防事業の一環として建設省(現・国土交通省)が地方公共団体と協力するなどして、火山ハザードマップの整備が進められてきた。
       過去2000年間に噴火した証拠がある、又は現在活発な噴気活動を続けている、いわゆる活火山が我が国には86ある。そのうち測地学審議会で活動的及び潜在的に爆発活力を有する火山は37であり、これから海域や無人島等のものを除いた29火山について、早急に火山ハザードマップを整備することとしている。このうち18火山について現在ハザードマップが作成されている。
    • 測量学審議会での活火山分類
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  • 2.富士山の主な噴火履歴
    • ○今から約70-20万年前に活動を開始し、噴火を繰り返すことで約1万年前に現在のような美しい円錐形の火山となった。
    • ○富士山のはっきりした噴火記録は西暦781年までさかのぼることができ、以来少なくとも10回噴火している
    • 年代 火山活動の状況 特に名前がついた噴火
    • 781年(天応元年)山麓に降灰、木の葉が枯れた。
    • 800-802年(延暦19-20年)大量の降灰、噴石。延暦(えんりゃく)噴火
    • 864-866年(貞観6-7年)溶岩流出(青木ヶ原溶岩)。溶岩により人家埋没。湖の魚被害。貞観(じょうがん)噴火
    • 937年(承平7年)噴火。
    • 999年(長保元年)噴火。 
    • 1033年(長元5年)溶岩流が山麓に達した。
    • 1083年(永保3年)爆発的な噴火。
    • 1511年(永正8年)噴火。 
    • 1560年(永録3年)噴火。 
    • 1707年(宝永4年)噴火前日から地震群発、12月16日から2週間にわたって爆発的な噴火。江戸にも降灰。宝永(ほうえい)噴火
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  • 3.富士山の日別低周波地震回数(平成13年5月31日現在)
富士山の日別低周波地震回数(平成13年5月31日現在)

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