平成10年度概算要求国土庁重点事項のポイント

平成10年度概算要求国土庁重点事項のポイント


1.21世紀の国土像の形成に向けた取組を行います。

(1)新しい全国総合開発計画の推進
 時代の大転換(地球時代、人口減少・高齢化時代、高度情報化時代の到来)に対応するため、21世紀の国土づくりの長期ビジョンとして、一極一軸型の国土構造を複数の国土軸からなる多軸型のものに転換することを基本的内容とする新しい全国総合開発計画をできるだけ早期に策定し、それに基づいて計画を着実に実施するため、関係省庁からなる協議会を設立するなど推進体制を強化するとともに、官民及び地域間の連携による新たな地域づくりを支援するパートナーシップ・フィールド事業の推進などの各種施策の推進に努めます。
○予  算  地域連携等支援事業                       40百万円(拡充)
○財  投  振興拠点地域開発整備事業に対するNTT無利子貸付(継続)
○税制改正  振興拠点地域及び業務核都市に係る課税の特例措置の延長
(2)首都機能の移転の具体化に向けた検討
移転先候補地の選定に資するための調査、関連する制度・手法の検討、より一層の国民的合意形成を図るための広報・公聴活動を推進します。
○予  算  首都機能の移転に関する調査                  224百万円(拡充)
(3)公共事業の効率的かつ整合的な推進
 公共事業の効率的・整合的事業実施を的確に推進するため、国土総合開発事業調整費を積極的に活用し、各省庁の枠を越えた連携の強化・推進及び新しい全国総合開発計画における主要課題等を強力に推進します。
○予  算  国土総合開発事業調整費                   30,063百万円(継続)
(4)地理情報システム(GIS)の整備
 広範な社会経済活動の効率化、迅速化等を図るため、様々な地理情報をコンピューター上に相互利用可能な形で蓄積し、活用する地理情報システム(GIS)の標準化を進めます。
 また、地方公共団体等へ各種プロジェクトの情報提供を行う地域振興情報ライブラリー事業の充実を図ります。
○予  算  GISの標準化の推進に関する調査               122百万円(拡充)

2.地方振興対策を推進します。

(1)新たな時代に向けた広域的な地方振興の推進
 地方中小都市と周辺農山漁村において「多自然居住地域」を創造するため、圏域における都市機能・生活基盤のあり方等について検討・推進します。
 また、東北、北陸、中国、四国、九州各地方の新しい開発促進計画を策定・推進します。
○予  算  新たな時代に向けた広域的な地方振興の推進           261百万円(拡充)
○財  投  適地技術高度化事業に対する北海道東北開発公庫融資(新規)
(2)地方定住の促進と地域の高度情報化の推進
 通信ネットワークを活用して地方回帰を促進するとともに、新産・工特制度のあり方を含めた新しい地方産業振興のあり方、地域に適した情報通信基盤の整備方策等について検討・推進します。
○予  算  UJIターン支援プロジェクト                  35百万円(拡充)
       過疎地域等における高度情報基盤整備調査             35百万円(新規)
(3)中心市街地の再活性化施策の推進
 総合的な計画づくりに必要な調査を行い、各事業主体による計画的・効果的な取組を支援するとともに、地方拠点都市地域における拠点地区の重点的支援、土地の有効利用対策、ソフト・技術支援を推進します。
○予  算  中心市街地活性化支援事業                    36百万円(新規)
(4)地方の魅力の向上と多様な交流・連携の推進
 地方圏と都市地域との交流・連携、個性的で魅力ある地域づくり、地域レベルでの国際交流を推進するとともに、地域振興ボランティア活動を促進します。
○予  算  農村体験学習を通じた都市との交流推進に関する調査        10百万円(新規)
       地域振興ボランティア活動の促進                 32百万円(新規)
(5)特定地域振興対策の推進
 過疎、半島、山村、豪雪地帯、離島、奄美群島・小笠原諸島等の振興対策を引き続き積極的に推進します。
○予  算  特定地域振興対策の推進                  215,643百万円(継続)

3.大都市圏の整備を推進します。

(1)三圏の新たな基本計画等の策定
 成長の時代から成熟の時代への転換期において、経済的活力の維持、美しい国土の創造、環境との共生等の観点を踏まえつつ、大都市圏の担うべき役割や圏域整備の目標を明確にするため、首都圏、近畿圏及び中部圏の新しい基本計画等の策定を積極的に進め、平成10年夏までに調査検討報告を取りまとめます。
○予  算  三大都市圏の新たな基本計画等の策定              283百万円(拡充)
(2)大都市圏整備のための基本的政策課題の検討
 大深度地下利用制度について、平成10年8月までに臨時大深度地下利用調査会の答申を取りまとめます。
 また、工場等制限制度について、首都圏及び近畿圏に係る新たな基本計画等の策定作業の一環として抜本的見直しを図るための検討を行います。
○予  算  大深度地下利用に関する調査                   68百万円(拡充)
(3)圏域の特性を活かした大都市圏の活力増進のための施策の推進
 東京圏における広域防災拠点の整備方策の検討、業務核都市の育成・整備、国の行政機関等の移転、筑波研究学園都市の整備等の首都圏整備、大阪湾臨海地域の開発・整備、関西文化学術研究都市の整備、琵琶湖の保全等の近畿圏整備、中部圏における産業・技術・文化を核とした国際交流圏づくりなど、圏域の特性を活かした大都市圏整備のための施策を推進します。
○予  算  東京圏における都市開発と一体的な広域防災拠点の整備方策の検討  13百万円(新規)
○財  投  業務核都市、大阪湾臨海地域、関西文化学術研究都市の整備事業に対するNTT無利子貸付(継続)
○税制改正  業務核都市、筑波研究学園都市、大阪湾臨海地域に係る課税の特例措置の延長等

4.土地政策を総合的に推進します。

(1)土地政策の推進体制の強化
 土地の有効利用による適正な土地利用を推進するため、新総合土地政策推進要綱の着実な実施を促すとともに、土地に関する基礎的調査・研究や土地関係研究者の育成支援、土地に関する基本理念等の普及・啓発活動を推進します。
○予  算  土地関係研究者育成支援                     30百万円(新規)
(2)土地の有効利用の促進
 土地利用計画体系の中において、市町村における総合的な土地利用計画を策定するための枠組みづくりについて検討を行うとともに、都市部における低・未利用地の有効利用に向けた事業化誘導方策の検討をはじめ、土地の有効利用のための諸事業を推進します。
 また、土地の有効利用の一層の促進に資する観点から、土地税制について適切な措置を講じます。
○予  算  土地利用計画の充実・強化に関する調査研究            30百万円(新規)
       土地の有効利用促進等に関する調査研究              63百万円(拡充)
○税制改正  土地の有効利用の促進に資する税制上の措置
(3)土地取引の活性化に向けた土地情報の充実
 土地取引の活性化に向けて、土地取引情報システムの総合的な構築をはじめ、土地取引、地価、地籍等土地情報の整備・提供を着実に行います。
 また、第2回土地基本調査を新たに指定統計として位置づけ、効果的に実施します。
○予  算  地籍情報緊急整備事業                    2,510百万円(拡充)
       土地基本調査実施                      1,680百万円(拡充)

5.災害対策を推進します。

(1)災害予防、応急、復旧・復興の各段階における対応強化を図るための事前対策等の充実
 緊急時の対応を強化するため、防災計画の推進、防災訓練の充実とともに、特に首都直下型等大規模地震発生時における初動体制について、衛星系地球局の配備を進める等さらなる充実を図ります。
 また、防災知識の普及啓発、防災ボランティア関連施策を進めるとともに、復興対策マニュアルの整備等を図ります。
○予  算  首都直下型大規模地震に備えた衛星系地球局の配備        180百万円(拡充)
○税制改正  地震防災応急対策用資産に係る固定資産税の軽減措置の延長
○定  員  防災局の体制強化(2人増員)
(2)災害情報収集・伝達体制の強化
 中央防災無線網の機能の着実な充実・強化を図り、迅速かつ的確な災害情報の収集・伝達を実施します。
 また、災害応急対策に係る迅速・的確な意思決定を総合的にバックアップするための「応急対策支援システム」の整備等地震防災情報システム(DIS)の整備を進めます。
○予  算  中央防災無線網整備                     1,373百万円(拡充)
       地震防災情報システム(DIS)整備              398百万円(拡充)
(3)地域防災拠点等防災関連施設の整備
 各地域の災害対策活動や防災知識の普及啓発等の拠点となる地域防災拠点施設の整備を推進します。
○予  算  地域防災拠点施設整備モデル事業                951百万円(継続)
(4)防災に関する国際協力の推進
 アジア地域における防災に関する相互協力を強化するため「アジア防災センター」を日本に設立するとともに、「日米地震防災政策会議(ハイレベル・フォーラム)」を開催します。
○予  算  アジア防災センターの設立                   200百万円(新規)

6.水資源対策を推進します。

(1)新しい全国総合水資源計画の推進
 新しい全国総合開発計画と整合をとりつつ策定する新しい全国総合水資源計画(ウォータープラン)に基づき、健全な水循環の確立を目指した水資源の開発、保全及び利用に関する総合的な施策を推進します。
○予  算  流域内の水循環に着目した水資源の有効活用に関する基礎調査    12百万円(新規)
(2)渇水に強い社会の実現に向けた水資源開発の推進
 国民生活及び産業活動に必要不可欠な水資源の安定供給を確保するため、水資源開発基本計画(フルプラン)の改定に必要な調査を実施し、水資源の総合的な開発及び水利用の合理化を進めます。
 また、渇水情報システムの構築調査等を実施します。
 さらに、水資源開発公団事業により、水資源開発を着実に推進します。
○予  算  渇水情報システム構築調査                    11百万円(新規)
       水資源開発公団事業                     77,703百万円(継続)
(3)水の有効・適正な利用方策の推進
 地下水対策の推進、雑用水利用の促進を図るため、各種調査・検討を行います。
 また、水の貴重さ等について国民の理解を深めるための啓発活動を実施します。
○予  算  自然環境に配慮した適正な地下水利用方策についての調査      6百万円(新規)
       雑用水利用導入促進調査                     9百万円(新規)
(4)水源地域対策の推進
 水源地域対策基金の充実・強化等により、水源地域の活性化を図ります。
○予  算  水源地域対策基金の充実・強化                  60百万円(拡充)
○税制改正  水源地域に立地する製造業及び旅館業の敷地に係る特別土地保有税の非課税措置の延長・拡充

問合せ先:国土庁長官官房総務課 (係長)橋本
      (電話)03−5510−8002 (FAX)03−3503−2602


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