1.地震の概要(気象庁発表)
2.各地の震度(気象庁発表)
3.被害・復旧状況等
A.消防庁調べ(平成7年12月27日現在)
+-------+--+--------+------+--+-------+ | 区 分 |単位| 被害数 | 区 分 |単位| 被害数 | +-------+--+--------+------+--+-------+ | 死 者 | 人| 6,308|公共建物 | 棟| 750| +-------+--+--------+------+--+-------+ | 行方不明者 | 人| 2|その他建物 | 棟| 3,952| +-+-----+--+--------+------+--+-------+ | | 重 傷| 人| 1,883| 火 災 | 件| 294| |負+-----+--+--------+------+--+-------+ | | 軽 傷| 人| 26,615| 道 路 |箇所| 9,948| |傷+-----+--+--------+------+--+-------+ | | 調査中 | 人| 14,679| |者+-----+--+--------+ | | 計 | 人| 43,177| +-++----+--+--------+ | |全 壊 | 棟| 100,302| | +----+--+--------+ |住被|半 壊 | 棟| 108,741| | +----+--+--------+ |家害|一部破損| 棟|※227,373| | +----+--+--------+ | |合 計 | 棟| 436,416| +--+----+--+--------+ ※ 住家一部破損は、一部地域で調査中であり、現時点で判明している数である。 ※ 死者については、関連死789名を含む。
B.ライフライン関係
- a.水道関係(厚生省調べ)
- 地震直後には約130万戸が断水。仮復旧は完了。被災部分について耐震を図りながら本格復旧中。
- b.電気関係(通商産業省調べ)
- 地震により約100万戸が停電、1月23日15時関西電力(株)管内全域で応急送電の体制が整い停電解消。
- ※停電回避動作前の停電戸数も含めると、地震直後には一時的に約260万戸が停電。
- c.ガス関係(通商産業省調べ)
- 4月20日までに、不在需要家等を除き、導管もしくはボンベによるガス供給を再開。
- d.通信関係(郵政省調べ)
-
- 加入者電話・専用回線の障害については、家屋の倒壊によるものを除き概ね復旧。
- 移動無線機約4,500 台を無償貸与、衛星通信用地球局20台を無償貸与。
C.交通関係
- a.鉄道関係(運輸省調べ)
- ・新幹線
- 地震発生当日中に運行再開しなかった区間は、京都・岡山間219キロ。
- 4月8日の初電より新大阪・姫路間の運行を再開したことにより、全線開通した。
- ・在来線
- 地震発生当日中に運行再開しなかった区間は、JR123キロ。
- 民鉄296キロ。8月23日の初電より全面開通した。
- b.道路関係(建設省調べ)
- 主要道路の復旧状況(平成8年1月8日現在)
- 地震発生直後、高速自動車国道、阪神高速道路、直轄国道で、27路線36区間あった交通止め区間については、一般車両ないしは緊急車両用として遂次交通開放を行っており、現在までに、1路線、1区間、(3号線神戸線(武庫川〜月見山))を除き、順次交通を確保。
- c.港湾関係(運諭省調べ)
- 神戸港において、ポ−トアイランド地区、六甲アイランド地区を中心に甚大な被害を受けている他、大阪港等において埠頭、道路等に沈下及び亀裂などの被害が生じた。神戸港では岸壁について、1月31日までに当面の応急復旧を終了。公共岸壁約150バース中、暫定的に107バースを確保(コンテナバース21バース中8バース暫定利用可能)。2月10日、神戸港について、「復興の考え方(第1次)」を策定。
4.政府の対応
A.非常災害対策本部等
- a.第1回(1月17日)
- ・被害の把握 ・行方不明者の救出 ・早期応急復旧
- b.政府調査団の派遣(1月17日〜18日)
- 国土庁長官を団長とする15省庁で構成
- c.第2回(1月18日)
- 行方不明者の救出、早期消火等17項目を決定
- d.第3回(1月23日)
- 分野別の非常災害対策の推進
B.地震対策関係閣僚会議(1月18日)
・被災者救助態勢の整備 ・医療物資、医者の確保などの緊急対策
C.緊急対策本部
(1月19日閣議決定により設置、4月28日閣議決定により廃止)
- ・第1回(1月19日)
- ・本部の設置 ・ヘリコプターによる緊急輸送強化
- ・第2回(1月21日)
- ・現地対策本部の設置 ・医療 ・食料 ・緊急輸送
- ・第3回(1月22日)
- ・応急仮設住宅等
- ・第4回(1月24日)
- ・住宅対策の強化 ・医療体制の充実
- ・第5回(1月26日)
- ・住宅対策等 ・医療対策 ・トイレ、ごみ処理対策
- ・第6回(1月29日)
- ・交通問題 ・教育問題
- ・第7回(2月 2日)
- ・住宅対策 ・物価対策
- ・第8回(2月 8日)
- ・住宅対策 ・雇用対策
- ・第9回(2月17日)
- ・財政援助等に関する法律案
- ・第10回(3月17日)
- ・当面の震災対策
D.兵庫県南部地震対策担当大臣(小里大臣)
- ・1月20日
- 兵庫県南部地震対策担当大臣の任命
- ・現地視察
- 1月(3回,4日)、2月(4回,4日)、3月(3回,3日) 、4月20日
- ・1月23日
- 国土庁内に小里大臣特命室を設置
- ・3月16日
- 阪神・淡路大震災被災者の方々と語る会
- ・4月21日
- 税及び不動産に関わる震災関連法律及び住宅施策の合同説明会
- ・6月 9日
- 関西復興サミット
E.中央防災会議
・本会議(1月26日)−−−防災基本計画の改訂について
・基本計画専門委員会第1回会合(2月 9日)−−−今後の検討方向
・基本計画専門委員会第2回会合(3月19日)−−−地元からの意見聴取
・本会議(7月18日)−−−防災基本計画の改訂
F.復興対策緊急立法検討プロジェクトチ−ム
・第1回会合(1月27日)−−−−−今後の検討の進め方
・第2回会合(1月30日)−−−−−地元からの要望聴取、意見交換
G.災害即応体制検討プロジェクトチーム
- ・第1回会合(1月31日)
- ・災害緊急事態発生時の即応体制の整備について
- ・第2回会合(2月 3日)
- ・情報連絡体制の整備に関する当面の措置について
- ・第3回会合(2月17日)
- ・情報収集体制の強化と情報連絡体制の当面の措置について
H.阪神・淡路復興対策本部
・第1回会合(2月25日)
- ・第2回会合(3月 7日)
- ・震災関係の税制上の対応等
- ・第3回会合(4月28日)
- ・復旧、復興に向けての考え方と当面講ずべき施策
- ・第4回会合(7月28日)
- ・阪神・淡路地域の復興に向けての取組方針
- ・第5回会合(10月3日)
- ・平成7年度第2次補正予算における阪神・淡路大震災復興関連事業経費について
I.阪神・淡路復興委員会(2月10日閣議決定、2月15日公布)
- ・第1回会合(2月16日)
- ・特定課題選定(復興計画、住宅問題、がれき対策)
- ・第2回会合(2月24日)
- ・特定課題選定(経済復興・雇用,神戸港,街づくり方策)
- ・第3回会合(2月28日)
- ・神戸現地意見交換
- ・提言(復興計画、住宅、がれき)
- ・第4回会合(3月10日)
- ・提言(まちづくり方策、神戸港の復興)
- ・特定課題選定(健康と福祉)
- ・第5回会合(3月23日)
- ・提言(経済復興・雇用、健康と福祉)
- ・ヒアリング(4月17日)
- ・提言に対する取組状況
- ・第6回会合(4月24日)
- ・意見(緊急を要する三課題他:復興住宅、がれき、神戸港)
- ・第7回会合(5月22日)
- ・提言(復興10箇年計画の基本的な考え方)
- ・第8回会合(6月12日)
- ・提言(都市復興)
- ・第9回会合(6月19日)
- ・提言(総合交通・情報通信体系)
- ・ヒアリング(7月10日)
- ・復興10箇年計画について
- ・第10回会合(7月18日)
- ・意見(復興10箇年計画について)
- ・第11回会合(8月28日)
- ・長期ビジョン等について意見交換
- ・第12回会合(9月 5日)
- ・意見(長期ビジョン等について)
- ・第13回会合(10月10日)
- ・提言(復興特定事業の選定と実施)
- ・第14回会合(10月30日)
- ・委員会報告と委員長談話
J.防災問題懇談会
- ・第1回会合(4月10日)
- ・今後の進め方
- ・第2回会合(4月27日)
- ・検討項目
- ・第3回会合(5月31日)
- ・国の災害対応体制のあり方
- ・第4回会合(6月15日)
- ・災害情報の収集及び伝達体制の在りかた、消防・救急・警察・医療・自衛隊等に係る緊急即応体制及び広域連携の在りかた、避難者の生活確保に関する支援体制及び広域連携の在りかた
- ・第5回会合(7月12日)
- ・外国からの支援申し出に対する対応のあり方、ボランティア、物資援助等民間協力の活用と行政の支援、防災基盤・施設整備等、防災問題懇談会提言案骨子案
- ・第6回会合(9月 8日)
- ・防災問題懇談会提言案
・提言提出 (9月11日)
5.災害救助法の適用(厚生省調べ)
兵庫県の10市10町及び大阪府の5市において災害救助法を適用し、必要な応急救助を実施 +---------------------------------+ |兵庫県 | | 神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、宝塚市、川西市、明石市、| | 三木市、洲本市津名郡津名町、津名郡淡路町、津名郡北淡町、津名郡 | | 一宮町、津名郡東浦町、津名郡五色町、三原郡西淡町、三原郡三原町、| | 三原郡緑町、三原郡南淡町(10市10町) | +---------------------------------+ |大阪府 豊中市、大阪市、池田市、吹田市、箕面市(5市) | +---------------------------------+
6.災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付(厚生省調べ)
災害弔慰金については、12月11日現在4,966件支給済。
災害援護資金については、12月11日現在43,874件貸付実施。
7.激甚災害の指定
本災害を激甚災害として指定し、公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助、中小企業者に対する資金の融通、罹災者公営住宅建設事業に対する補助の特例等の措置を適用(1月24日閣議決定、1月25日公布・施行)。農地・農業用施設等を追加(2月3日閣議決定、2月8日公布・施行)
8.罹災都市借地借家臨時処理法の適用
本災害による被害を受けた借家人及び借地人の権利を保護するため、兵庫県の10市11町(神戸市、西宮市他)及び大阪府の12市(大阪市、豊中市他)において罹災都市借地借家臨時処理法の規定を適用。(2月6日公布・施行)
9.特別財政援助法その他の立法措置
地方公共団体等に対する特別の財政援助並びに社会保険の加入者等についての負担の軽減、中小企業者及び住宅を失った者等に対する金融上の支援等の特別の助成措置を行うため、「阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律」(2月28日成立、3月1日公布・施行)を制定。
また、阪神・淡路大震災に係る立法措置として、この他以下の法律を制定。
<阪神・淡路大震災に係る法律>
- 地方税法の一部を改正する法律(2月20日公布)
- 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律(2月20日公布)
- 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(2月20日公布)
- 阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織に関する法律(2月24日公布)
- 被災市街地復興特別措置法(2月26日公布)
- 阪神・淡路大震災に対処するための平成6年度における公債の発行の特例等に関する法律(3月1日公布)
- 平成6年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律(3月1日公布)
- 阪神・淡路大震災に伴う許可等の有効期間の延長等に関する緊急措置法(3月1日公布)
- 阪神・淡路大震災を受けた地域における被災失業者の公共事業への就労促進に関する特別措置法(3月1日公布)
- 阪神・淡路大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律(3月13日公布)
- 阪神・淡路大震災に伴う民事調停法による調停の申立ての手数料の特例に関する法律(3月17日公布)
- 阪神・淡路大震災に伴う法人の破産宣告及び会社の最低資本金の制限の特例に関する法律(3月24日公布)
- 被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(3月24日公布)
- 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律(3月27日公布)
- 地方税法の一部を改正する法律(3月27日公布)
10.当面の緊急問題
A.医療関係(厚生省調べ)
- a.仮設診療所の整備
- 4月末日をもって避難所救護センターを廃止し、既存の医療機関を中心とした地域医療体制へ移行したが、診療所が著しく減少した地区等においては、地域住民の医療を確保するため「仮設診療所」を開設。
- b.歯科保健医療の確保
- 被災住民の歯科保健医療を確保するため、仮設診療所の整備、歯科検診・保健事業等で対応。
- c.医師・看護婦等の派遣
- ア.日本赤十字社支部が、救護班の派遣体制をとり、延べ981個班、5,960名(医師913名、看護婦2,637名、その他2,410名)を派遣。国立病院療養所から神戸市内の避難所救護センター等へ延べ3,914名(医師898名、看護婦1,703名、薬剤師等1,313名)を派遣。また、44都道府県、12指定都市が約900名の医師・看護婦等を現地に派遣。
- イ.岡山大学等周辺の68大学から231医療チーム3,983人を現地に派遣。
B.避難者生活対策
- 必要な応急仮設住宅(48,300戸)が8月10日に全戸完成し、避難所に残る被災世帯がすべて入居できる状況となったこと等から、兵庫県及び神戸市の意向により、災害救助法による避難所の設置は8月20日をもって終了された。
- 約800か所の避難所等に無料公衆電話約2,500台を提供し、聴覚障害者用に約350か所の避難所等に無料公衆ファックス約400台を提供。
仮設住宅等に電話機3万台を寄贈(NTT)。 - 仮設風呂は20人用2基、5人用15基、2人用34基、シャワー168基設置。
- 常備薬を各避難所に配付。
C.住宅の確保
- 応急仮設住宅は、8月10日に設置計画目標48,300戸すべてが完成した。うち、47,588戸入居。(平成8年1月4日現在)
- 公営・公団住宅等の空家を活用し、12,681戸(12月1日現在)が入居した。
D.輸送関係
- ・復興物資輸送ルート等の確保
- 復興事業の本格化に伴い、仮設住宅建設、ガレキ処理等の復興事業のための資材等の輸送需要増加が予想されるため、災害対策基本法による「緊急輸送ルート」を解除し、2月25日から新たに道路交通法により「復興物資輸送ルート」(復興標章を掲出している車両以外の通行を禁止)、「生活・復興関連物資輸送ルート」(一般乗用車の通行を禁止)を設定している。
E.がれき処理対策
- 損壊した家屋等は廃棄物として市町村が解体・処理
- 災害廃棄物処理推進協議会の設置(2月3日)−−−国(関係4省庁)、県、市町、関係者
- 港湾事業の資材としてがれきの受け入れが実施されている。
11.海外からの支援受入れについて
これまでに76の国・地域、国連、WHO、欧州連合から支援申し入れがあり、地元自治体の意向も確認した上で、44の国・地域の申し入れの受入れを決定した。
問合せ先:国土庁 防災局 防災企画課