防災の動き



避難指示等を電話のシステムで情報伝達
—誰一人取り残さない 横浜市旭区の取り組み—
〈横浜市旭区総務部総務課〉

 横浜市旭区は、神奈川県横浜市の西部に位置し、人口約24.4万人、横浜市内で3番目に大きな面積を持つ自然豊かな区です。一方で、横浜市18区の中で高齢者の人口が最も多く、大規模災害に備えた地域防災力の向上が求められています。

【震災初期の行動指針「旭区ご近助マニュアル」を作成】

 令和2年3月に、震災初期にみんなで生き残るための取り組みをまとめた「旭区ご近助マニュアル」を作成しました。地域で防災活動をされている方々を中心に、旭消防署・旭区役所もオブザーバーとして参加する検討会でまとめ上げました。

 地震発生直後の行動を時系列で分かりやすくまとめ、「となり近所」など、より身近な地域の少人数グループ単位で行動できるように解説しています。今年度は、これを基にした訓練を進める予定です。

【災害時に、自治体と住民が、迅速かつ相互に情報伝達・収集できる仕組みを利用】

 旭区では、過去に区内を流れる帷子川が溢れて浸水した地域もあり、今後も水害が発生する可能性があります。

 そのため、年に4回ほど、定期的に情報伝達訓練をしています。例えば、大雨警報が発表されたことを想定し、浸水想定区域にお住まいの方々などに、5coゴコVoiceボイスという、電話を活用した音声情報を配信できるシステムを使って避難に関する情報をお伝えします。電話による音声情報を受け取った方は、プッシュボタンで避難の状況などを回答できるので、区役所では自動集計された画面を見て、迅速な状況確認ができます。

 令和元年の台風の際、ニュースなどで既に情報を得ていた方が多かったものの、旭区からの避難に関する情報を5coVoiceの電話によるメッセージで初めて知った方もいました。少数とはいえ、電話でしか情報を得られない方を取り残さないために重要な伝達手段の一つになっています。インターネットやメールを使わない方にも、必要な情報伝達ができ、情報を確実に受け取ったか否かの確認や状況把握の自動集計も可能なので、今後の活用の拡大に大きな期待を持っています。

 平和な日常から、突然非日常に陥るのが災害です。住民が災害を乗り越えるためのアイデアや力を出し合いながら、助け合える関係が自然と作り上げられる地域となることが理想です。誰一人取り残さない情報伝達システムを活用することで逃げ遅れをなくし、年齢や性別に関係なく、速やかに避難行動を起こすことで、となり近所の助け合いにも繋がっていく、より良い旭区を目指していきます。



5coVoiceを使った情報配信の様子
5coVoiceを使った情報配信の様子


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内閣府政策統括官(防災担当)

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