特集 知って備える水害・土砂災害

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災害から命を守る手引書 『水害・土砂災害から家族と地域の人々を守るには』

内閣府では、手引書『水害・土砂災害から家族と地域の人々を守るには』を作成し、5月31日に公表しました。これは、「平成29年7月九州北部豪雨災害を踏まえた避難に関する検討会」において、「平成29年7月九州北部豪雨災害を踏まえた避難に関する今後の取組について」(平成29年12月)がとりまとめられ、この中で、「住民が自ら水害・土砂災害から身を守るための手引書」を作成することとされたことを受けたものです。主に地域で水害・土砂災害へ備えるための計画づくりを行う方や、実際に災害が起きそうな際、起きた際に地域で率先して住民の避難行動を支援する方などを対象としました。

手引書『水害・土砂災害から家族と地域の人々を守るには』

現在、地球規模で温暖化が進んでいますが、21世紀末に向けて、世界の平均気温は上昇し、気候変動の影響のリスクが高くなると予測されています。国内においても、短時間の強雨がすべての地域で増加することが懸念されています。ここ数年では、平成26年8月豪雨(広島土砂災害)、平成27年9月関東・東北豪雨、平成28年台風第10号、平成29年7月九州北部豪雨等、大きな被害を伴う災害が頻発しています。

こうした水害・土砂災害に備え、本手引書では、豪雨発生のメカニズム、身の周りの危険を知る方法、大雨などに関する情報、避難の方法、持ち出し品などの準備、地域の計画作りなどについて紹介しています。


平成29年7月九州北部豪雨で被害を受けた朝倉市の様子

平成29年7月九州北部豪雨で被害を受けた朝倉市の様子

大雨などに関する情報は、気象庁などから様々な形で提供されています。大雨警報等は、警報の危険度分布とセットで、両者を一体的に利用することが大切です。具体的には、大雨警報や土砂災害警戒情報等が発表されたときに、いつ、どこで危険度が高まる予想となっているかを警報の危険度分布等で確認し、自らの地域に迫る危険を納得感を持って把握していただくことが命を守るために重要です。


大雨警報


平成29年度からは、指定河川洪水予報の発表対象ではない中小河川の洪水害発生の危険度の高まりを予測する洪水警報の危険度分布を確認できるようになりました。


中小河川では


平成29年1月には、避難勧告等の対象者を明確にするなど、「避難勧告等に関するガイドライン」が改定されました。


避難勧告などに関するガイドライン


どのようにすれば家族や地域の人たちが突然の水害や土砂災害から助かるのか、事前に地域で話し合って計画を作っておくことが大切です。そのときに自治体や地域の企業・団体、有識者と一緒に考えると良いです。こうした地域での解決策を考えるひとつの方法が「地区防災計画」です。計画作りを通じて地域が災害に備えて力を発揮できることが期待されます。

平成29年7月九州北部豪雨では、朝倉市、東峰村、日田市ともに、急激に悪化する気象条件の中、防災気象情報や現地の状況等を踏まえ、避難勧告等を発令しました。また、各自治体ともに、事前に地域のコミュニティを活かし、自治会等と一体となって防災に取り組んでいました。 特に、今回の被災地では、平成24年7月九州北部豪雨を経験し防災への意識が高く、地区ごとの自主防災マップの作成、避難時の要支援者と支援者の名簿作成や避難訓練等を行っており、近隣住民への声かけ等が被害の軽減に寄与したと考えられます。

水害・土砂災害のリスクは、正しく理解し、家庭や地域で準備しておくことで被害を軽減することが出来、また危機に際して冷静・適切に対処することで大切な命を守ることが出来ます。本手引書を災害への備えのきっかけ作りなどにお使いください。



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