防災の動き

防災に活かす公民館

皆さんは公民館を利用されたことはありますか? 公民館は公立だけで全国に約15,000館存在しており、子どもからお年寄りまで誰もが気軽に通えて、集えて、学べる、とても身近な公共施設です。公民館は、普段は自分の趣味のサークル活動や、町内会・自治会の会合や催し物、または公民館主催の講座に参加するなどで利用している人がたくさんいますので、皆さんの中には利用されたことがある人もいるかもしれません。

公民館は日常的に使われる用途以外に、災害時には「避難所」として使われることも増えてきています。大雨や台風、噴火、津波、そして大地震などで緊急に避難する場所として、公民館は活用されているのです。

東日本大震災でも、沿岸部のほとんどの公民館が避難所となって、多くの人がそこで避難をしました。その後の様々な災害においても、公民館は避難所となっています。

さて、避難所となる施設は他にも様々ありますが、公民館ならではの特徴を挙げれば、次の3点があります。

1つ目は、公民館は居住性に富んでいるということです。公民館では大小様々な部屋があり、調理室や和室も備え、またトイレも複数あることから、災害時では他の施設に比べて生活がしやすいと言われています。

2つ目は、公民館活動が活発な地域ほど日常的に住民とのかかわりがあり、非日常的な災害時であっても、避難所の運営が円滑になると言われています。

3つ目は、公民館は教育機関であるため、普段から防災に関わる講座を開催したり、避難所訓練などを実施している公民館も少なくありません。そのように備えておくことで、実際に災害にあってからも、慌てずに対応できるようになります。公民館を普段から利用することが、災害への備えにもなっているのです。

全国公民館連合会では、急な災害へ備えるためのハンドブックを以前作成したものが中身が古くなったため、最新のものにアップデートして平成29年に出版しました。これは避難所のマニュアルとして、公民館ばかりでなく、多くの避難所でも通用する内容となっておりますので、いざというときの備えに皆様もご覧いただければと思います。

『新訂 公民館における災害対策ハンドブック』公益社団法人全国公民館連合会編著第一法規株式会社、平成29年6月
『新訂 公民館における災害対策ハンドブック』
公益社団法人全国公民館連合会編著第一法規株式会社、
平成29年6月

東日本大震災直後、避難して休んでいる様子(多賀城市中央公民館)
東日本大震災直後、避難して休んでいる様子(多賀城市中央公民館)

調理室で、避難した人に食事をつくる住民たち(気仙沼市松岩公民館)
調理室で、避難した人に食事をつくる住民たち(気仙沼市松岩公民館)


〈公益社団法人全国公民館連合会 事務局次長 村上英己〉

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

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