防災の動き

「災害情報ハブ」で災害情報を「見える化」

平成28年4月に発生した熊本地震において、被災者の中には、指定避難所に避難・滞在せず、車中泊等をしていた多くの例が見受けられました。このような人々の動向をはじめ、避難所における被災者のニーズや物資の配送状況等、把握が困難であったことが、熊本地震に係る検証の中で指摘されました。

このような課題を解決するためには、平常時から国や地方公共団体、民間企業・団体等による官民連携による円滑な情報の共有化を行い、災害時との迅速に対応することが必要です。

このため、内閣府では、情報の共有を図るために効果的な手段と考えられる情報通信技術( ICT:Information andCommunication Technology)の活用、また、関係機関間における情報共有の方法や期間等のルール及びこれを通じた情報のやりとり(「災害情報ハブ」)を推進するため、平成29年度から中央防災会議防災対策実行会議災害対策標準化推進ワーキンググループの下に、「国と地方・民間の『災害情報ハブ』推進チーム」を設置し、年度内に計4回推進チームを開催しました(座長:あかま二郎内閣府副大臣)。

推進チームにおけるこれまでの議論を踏まえ、災害時の関係機関における迅速な状況認識の統一を図るため、情報保有者の情報整理方法等の基本ルールを平成30年3月に推進チーム決定しました。また、災害に係る情報の所在や共有・利活用に係る条件等を一覧表(災害時情報カタログ)として整理しました。

今後も関係省庁や地方公共団体、民間企業・団体としっかり連携しながら、災害時情報カタログの質の向上や関係機関間の共有方法の検討に取り組むとともに、整理された情報等を可能な範囲で一つのシステムに集約し、見える化するため試行的な取組を進めて参ります。また、災害時における地方公共団体の負担を軽減し、効果的な災害対応を可能とする体制を構築するため、災害情報共有システムであるSIP4Dを活用して官民の情報収集・整理を行う官民チーム(仮称)を試行的に立ち上げ、訓練や実際の災害での活動を通じ、効果的に活動するための課題等を検討すること としています。

災害時情報カタログのイメージ


「災害情報ハブ」推進に係る基本的なルール

平成30年3月30日
「災害情報ハブ」推進チーム決定

1.前文

  • 平成28年の熊本地震等、過去の災害対応において、被災地域の被害状況や避難者動向、物資の状況等の把握が困難であったことが指摘されており、災害時に国や地方公共団体、民間企業・団体等の間で、官民連携による迅速かつ円滑な情報共有を図ることの重要性が教訓として認識されている。
  • このため、関係者間での迅速な情報共有(状況認識の統一)を図ることを目的として、平成29年度に「国と地方・民間の『災害情報ハブ』推進チーム」(以下「推進チーム」という。)を立ち上げ、関係者間で各情報の取扱いや共有・利活用に関する仕組みづくり等を検討してきた。
  • 作業部会も含めたこれまでの推進チームにおける議論を踏まえ、迅速な状況認識の統一に向けた、推進チームとしての基本ルールを以下の通りまとめた。
  • 当該ルールに則り、推進チームでの更なる検討に加え、推進チームの関係者は各自必要な取組を実施することとする。

2.基本ルール

(1)総論

  • ① 国、地方公共団体、民間企業・団体等が一体となり、オールジャパンの体制で取り組み、国が率先して取り組むこと
  • ② 各機関は情報の収集、整理、共有にあたっては、ICT(情報通信技術)を積極的に活用するよう努めること
  • ③ 現場の者にとって真に役立ち、課題解決に資する実効性のある成果を創出すること
  • ④ 各機関は迅速な状況認識の統一の実現に向け、スピード感を持って必要な取組を進めること
(2)関係者間の情報共
  • ① 情報所有者は、データでの流通を含めた情報流通のための環境整備に努めること
  • ② 情報所有者は、平時から可能な限り関係者に情報を共有するよう努めること
  • ③ 情報所有者は、情報毎の入手条件等が整理されたカタログ(以下「情報カタログ」という)の作成に協力し、情報の粒度の向上、最新の状態の確保に努め、国は情報カタログを適切に管理すること
  • ④ 情報所有者は、利用者側が柔軟に利活用できるよう、機械可読な形式での整理や提供、フォーマットの開示に努めること
  • ⑤ 情報利用者は、情報カタログに示された条件に従って情報を利用すること
(3)現場で情報収集・整理を支援する官民チームの取組
  • ① 関係者は、官民チームの試行的取組について、可能な限り協力すること
 


〈内閣府(防災担当)防災計画担当〉

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内閣府政策統括官(防災担当)

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