不屈の大地 Build Back Betterの軌跡

六甲道南公園(兵庫県神戸市) 平成7年(1995) 阪神・淡路大震災からの復興

平成7年(1995)1月17日の早朝に発生した「阪神・淡路大震災」は、死者・行方不明者が6,000名をはるかに超え、住宅の全壊・半壊も約25万棟に及ぶなど、甚大な被害をもたらしました。

地図

平成7年(1995)1月17日午前5時46分、淡路島北部を震源とするマグニチュード7.3の直下型地震が発生。これにより、神戸市を中心とした阪神地域から淡路島北部にかけての広い範囲が甚大な被害を受けました。死者・行方不明者は6,000名をはるかに超え、住宅被害の全壊・半壊は合わせて約25万棟にものぼったほか、上下水道やガス、通信などライフラインの停止も多数発生。阪神高速道路が数百メートルにわたって倒壊した映像は日本中に大きな衝撃を与えました。

神戸市の基本計画で「東部副都心」と位置づけられて入る灘区の六甲道駅南地区でも、震災によりJRの高架が崩落し、建物の8割が全・半壊するなど甚大な被害が発生。再び立ち上がるべく、地元住民の意向を取り入れながら、市街地の復興と同時に防災拠点の構築や住宅の供給などを目的とした再開発事業が速やかに進められました。

耐震性に優れた14棟のビルに囲まれるようにして広がる公園は、災害時の防災活動拠点として一時避難場所となるだけでなく、荷受けや仕分けのスペースとしての活用も想定。100トンの耐震性貯水槽や、仮設トイレ用下水設備などを配備し、公園と接続する道幅の広い避難道路も整備されました。さらに、地域活動の拠点として園内に自治会館も設置。イベントなども行われ、現在では公園を中心とした新たなコミュニティが形成されています。

震災直後の備後町5丁目付近の様子。家屋が大きく傾き、ブロック塀が崩れるなど、地震の威力の凄まじさが見て取れます。

震災直後の備後町5丁目付近の様子。家屋が大きく傾き、ブロック塀が崩れるなど、地震の威力の凄まじさが見て取れます。

再開発事業が完成した後の、3番街付近の光景。公園に面したビルには神戸市灘区役所も入るなど、住民の利便性にも配慮しました。

再開発事業が完成した後の、3番街付近の光景。公園に面したビルには神戸市灘区役所も入るなど、住民の利便性にも配慮しました。

公園内に設置された慰霊碑。震災で犠牲者となった方々への鎮魂の祈りと、新たな街づくりによる未来への想いが刻まれています。

公園内に設置された慰霊碑。震災で犠牲者となった方々への鎮魂の祈りと、新たな街づくりによる未来への想いが刻まれています。
(写真提供:神戸市)

表紙の写真

緑の芝生が一面に広がっており、都会の中にありながら開放感のある空間が印象的な六甲道南公園。地域住民の憩いの場としてだけではなく、イベントなど近隣の新たなコミュニティづくりの中心としても機能しています。

表紙絵

(写真提供:神戸市)

Build Back Betterとは

「Build Back Better(より良い復興)」 とは、2015年3月に宮城県仙台市で開催された「第3回国連防災世界会議」の成果文書である「仙台防災枠組」の中に示された、災害復興段階における抜本的な災害予防策を実施するための考え方です。

本シリーズでは、災害が発生した国内外の事例を紹介し、過去の災害を機により良い街づくり、国土づくりを行った姿を紹介いたします。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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