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平成28年度総合防災訓練

9月1日の『防災の日』を中心に、政府や地方公共団体などでは多くの防災訓練が実施されました。政府では『防災の日』に南海トラフ地震を想定した政府本部運営訓練を官邸で実施するとともに、さいたま市で行われた九都県市合同防災訓練の視察などを行いました。

『政府本部運営訓練』は、南海トラフ地震を想定し、内閣総理大臣を本部長として全閣僚が参加し、緊急災害対策本部会議とそれに引き続いての臨時の閣議の訓練を官邸で実施しました。

当日は訓練に先んじて、首都直下地震が発生し、総理官邸周辺の道路の破損や渋滞などにより車両での参集ができない事態を想定して、各閣僚が自宅や自省庁等から徒歩で官邸に参集しました。

南海トラフ地震を想定した緊急災害対策本部運営訓練は、災害緊急事態の布告及びこれに伴う緊急災害対策本部の設置が閣議決定されたものとして、8時25分から実施しました。

会議では、冒頭安倍内閣総理大臣から各閣僚に対して人命救助を最優先に迅速、的確に対応するよう指示があった後、三重県庁、和歌山県庁、高知県庁との間でテレビ会議を実施しました。

テレビ会議では、三重県の鈴木知事、和歌山県の仁坂知事、高知県の尾﨑知事からそれぞれ被害状況の報告と政府への要請があり、それに対し安倍内閣総理大臣は、各県知事からの要請を受けて、全国から最大限の資源を注力することや、政府調査団を派遣することを伝えました。

その後、各閣僚から被害状況の報告や対応方針などの報告がなされ、これらを受けて、松本防災担当大臣から、中部、近畿、四国、九州の各ブロックに政府調査団を派遣することを提案し、各閣僚から異議なしとの発言をいただきました。また、総理から各閣僚に対して、関係地方公共団体からの要請を待つことなく積極的に対応するとともに、要請に対しては情報の共有など各省庁連携して、迅速かつ全面的に支援するよう指示を出しました。

さらに引き続いて行った臨時の閣議では、災害緊急事態の対処に関する基本的な方針について閣議決定をしました。

その後、松本防災担当大臣立ち合いの下、安倍内閣総理大臣は会見を行い、NHKの生中継を通じて、国民に対して、政府の対応状況、対応方針を伝えるとともに、車による移動を極力控えること、買占めの自粛、正確な情報の把握などについて協力を呼びかけました。


  • 徒歩参集訓練を行う松本防災担当大臣

  • 会見を通して国民に協力の呼びかけを行う安倍内閣総理大臣

  • 高速道路上での事故救出訓練

  • 主会場での救出救護訓練

『九都県市合同防災訓練』は、関東圏の9つの地方公共団体が、合同で防災訓練を行うもので、今年度はさいたま市が主会場として行なわれました。本訓練は、さいたま市を震源とする最大震度6強の大きな地震が発災し、市中心部に建物の倒壊や道路や鉄道などの交通網が寸断し、多数の負傷者が発生していることを想定して実施しました。

このため、訓練では高速道路上の事故車両や立ち往生した列車からの救出訓練、多傷病者トリアージ訓練、帰宅困難者対策訓練、道路啓開訓練等がさいたま新都心駅周辺のさいたま新都心合同庁舎、日本赤十字病院(建設中)や大宮区北袋1丁目にある三菱マテリアル(株)隣接地に特設した訓練主会場で行われました。政府では、この訓練と連携して、安倍内閣総理大臣の視察と災害時に派遣される政府調査団の現地調査訓練を行いました。

安倍内閣総理大臣は、ヘリコプターで都内から主会場内に仮設された臨時のヘリポートへ移動し、首都高速埼玉新都心線の高架上で実施された事故車両からの救出訓練を視察しました

この訓練は、高速道路を通行止めにして事故車両を配置し、さいたま市消防局、埼玉県警、首都高速道路(株)が連携して実施した訓練です。訓練では埼玉県消防学校の生徒が負傷者役としてバスに乗車し、部隊が救出を行いました。救出には梯子車やヘリコプターが投入されました。

その後、安倍内閣総理大臣は、さいたま新都心駅前で建設中の日本赤十字病院前で実施された多傷病者トリアージ訓練を視察しました。この訓練では、日本赤十字病院前に整備された広場を活用し、トリアージや応急救護所における医療処置が行われました。訓練で対象とした負傷者役は、上記の高速道路等から実際に搬送した参加者が行ない、実践さながらの訓練となりました。

さいたま市では、本訓練を通じた住民一人ひとりの「自助」による防災・減災意識の高揚を大きな目的に掲げており、各種の体験型訓練や普及啓発イベントが主会場を中心に実施されました。総理は、ここで看護学生や高校生と共にAED体験訓練に参加しました。

最後に、安倍内閣総理大臣は来賓スタンドで、さいたま市消防局、埼玉県警、自衛隊や国交省関東地方整備局及び周辺都県市から派遣された部隊等が参加した救出救護訓練を視察しました。

当日は、天気にも恵まれ、訓練は予定通り実施されました。訓練会場には多くの市民が訪れ、実動機関にとっては日頃の鍛錬の成果を披露する場になったとともに、訓練に参加した一般の方々にとっても、自助・共助・公助の大切さを意識する良い場となりました。


  • 政府本部運営訓練でテレビ会議を行う安倍内閣総理大臣と
    松本防災担当大臣

  • AED体験訓練に参加する安倍内閣総理大臣
〈内閣府(防災担当)地方・訓練担当〉

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