日本の火山 vol.33 恵山 [北海道]

ツツジが彩る火山

北海道函館市の恵山(標高618m)は、函館市街地から東へ約40㎞、渡島半島の東南端の太平洋に突き出た位置にある。恵山の火山活動は約4〜5万年前に始まり、約1万年前までに、隣接する海向山(かいこうざん)、外輪山、椴山(とどやま)などの溶岩ドームが形成された。
約8000年前の噴火で大規模な火砕流が発生して山麓に台地が作られるとともに、恵山溶岩ドームが形成された。この後、5000年前、3000年前、2500年前、600年前にも火山活動が起こっている。2500年前の噴火では、恵山溶岩ドームの山体崩壊により、岩屑なだれが発生した。
最近では、1846年に水蒸気噴火が起こっている。この噴火では泥流が発生し、多数の死者が出た。1874年にも水蒸気噴火が起こり、火砕物が降った。その後、噴火は起こっていないが、恵山溶岩ドームの西麓の爆裂火口では、現在も噴気活動が続いている。
恵山は標高が低いにもかかわらず、多様な高山植物が生育している。特に、エゾヤマツツジ、サラサドウダンなどのツツジ類は有名で、5月下旬から6月上旬の開花の時期には、山肌が赤く染まる。恵山の山頂へは登山道が通じており、山頂からは、太平洋、津軽海峡、対岸の下北半島等の眺望を楽しむことができる。

南西側上空から見た恵山(北海道開発局協力により気象庁撮影)

恵山
火山噴火予知連絡会により活火山に指定されている。気象庁により噴火予報(平常)が発表中である(平成27年2月9日現在)。

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