日本の火山 vol.32 鶴見岳・伽藍岳 [大分県]

別府温泉の源

大分県別府市及び由布市にまたがる鶴見岳・伽藍岳は、南端の鶴見岳(標高1375m)から北端の伽藍岳(標高1045m)まで約5㎞にわたって溶岩ドームが連なる火山群である。
有史以降では、伽藍岳が771年に水蒸気噴火を起こし泥流が発生、867年の水蒸気噴火では泥流、噴石、降灰などがあったとされている。その後、長い間噴火はなかったが、1949年に鶴見岳の標高1100m付近で多数の噴気孔が出現し、高さ約10mの噴気を上げているのが発見された。1974年から翌年にかけては、同じ地点で高さ約100〜150mの噴気が上がり、周囲には小噴石が飛散している。ここでは現在も噴気活動が続いている。
1995年には、伽藍岳の珪石採掘場跡にある噴気孔が次第に大きくなり、やがて土手の高さ約1m、火口の長径約10m、短径約7m、深さ約4mの楕円状の泥火山※を形成、現在も活発に噴気を上げている。
鶴見岳・伽藍岳の東麓の扇状地に広がる別府温泉は、日本有数の温泉地として知られており、その温泉は、鶴見岳・伽藍岳の地下のマグマが熱源と考えられている。別府温泉では、地中から吹き出る熱湯、熱泥、噴気などを間近で見られる場所もあり、国内外の観光客の人気を集めている。
 (※泥火山とは、地下からガスや水とともに砂泥が噴出し、地形的高まりを作る現象。火山と関係のない油田地帯などでも見られる。)

右端が鶴見岳、左奥が伽藍岳 (気象庁 提供)

鶴見岳・伽藍岳
火山噴火予知連絡会により活火山に指定されている。気象庁により噴火予報(平常)が発表中である(平成26年11月11日現在)。

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