DisasterReport 災害報告

平成26年秋の災害の状況について

御嶽山噴火

長野県木曽郡木曽町・王滝村と岐阜県下呂市・高山市にまたがる御嶽山(最高峰:剣ヶ峰 3067m)では、9月27日11時41分頃から火山性微動が発生し始め、同11時52分頃に噴火が発生しました。気象庁は同12時36分、噴火警報(火口周辺警報)を発表し、噴火警戒レベルを1(平常)から3(入山規制)へ引き上げるとともに、火口から4キロメートル以内に立ち入らないよう呼びかけました。

(被害状況)
この噴火により、死者57人、行方不明者6人、負傷者69人の人的被害が発生しました。

(政府の対応)
政府では、9月27日15:00に関係省庁の担当者による会議を緊急開催し、被害情報の収集を急ぐとともに、同16:40には、山谷内閣府特命担当大臣(防災)、松本内閣府大臣政務官出席のもと、関係省庁災害対策会議を開催し、関係省庁に対し、安倍内閣総理大臣から発せられた指示(1.早急に被災状況の把握を行うこと、2.被災者の救助に総力を挙げるとともに、避難誘導等登山者や住民の安全の確保に万全を期すこと、3.火山の観測を強化し、登山者及び住民に対する迅速的確な情報提供を行うこと)を伝達するとともに、今後の噴火活動の見通し及び被害状況並びに各省庁の対応状況について確認しました。
また翌28日には、噴火により多数の犠牲が生じ、なお多数の行方不明者が存在するという事態を踏まえ、災害対策基本法に基づき、平成26年(2014年)御嶽山噴火非常災害対策本部(本部長:山谷内閣府特命担当大臣(防災))を格上げ設置するとともに、当本部の事務の一部を行う組織として、長野県庁に現地対策本部(本部長:松本内閣府大臣政務官)を設置し、政府の総力を挙げて災害応急対策に取り組みました。
このほか、噴火発生直後の9月28日には西村内閣府副大臣を、10月11日には山谷内閣府特命担当大臣(防災)を、それぞれ団長とする政府調査団を長野県へ派遣し、自衛隊のヘリコプターで上空から火口付近の噴火・降灰の状況や捜索活動の状況等を調査するとともに、被災自治体の首長等と意見交換を行いました。

(支援策)
具体的な支援として、9月27日に、災害救助法が長野県木曽郡木曽町及び王滝村に適用されるとともに、同法の適用を踏まえ、10月8日、2町村に対し、11月に定例交付すべき普通交付税の一部を繰り上げて交付しました。

ヘリによる上空視察(御嶽山上空)

ヘリによる上空視察(御嶽山上空)

平成26年御嶽山噴火非常災害対策本部第1回本部会議(8号館災害対策本部会議室)

非常災害現地対策本部(長野県庁内)

台風第18号及び第19号

《台風第18号》
9月29日15時にトラック諸島近海で発生した台風第18号は、発達しながら日本の南海上を北上し、 大型で非常に強い勢力で南大東島の近海を通って九州の南海上に達しました。
台風は、進路を東寄りに変え、強い勢力を維持したまま潮岬の南を通って、10月6日8時過ぎに静岡県浜松市付近に上陸し、その後は速度を速めながら東海地方及び関東地方を北東に進み、6日21時に日本の東海上で温帯低気圧に変わりました。
この台風と本州付近に停滞した前線の影響により、東日本の太平洋側を中心に大雨となり、沖縄・奄美と西日本・東日本の太平洋側では暴風や猛烈なしけに見舞われました。

《台風第19号》
10月3日21時にマーシャル諸島付近で発生した台風第19号は、発達しながらフィリピンの東海上を西に進み、8日3時から9日12時にかけて勢力が最大(中心気圧900hPa)となりました。
台風は、フィリピンの東海上で進路を北に変えて沖縄の南海上を北上し、12日0時半頃に大型で非常に強い勢力で沖縄本島付近を通過しました。13日には東シナ海で進路を北東に変え、8時半頃に鹿児島県枕崎市付近、14時半頃に高知県宿毛市付近、20時半頃に大阪府岸和田市付近にそれぞれ上陸しました。その後、台風は、速度を速めながら近畿地方、東海地方、関東地方、東北地方を進み、14日9時に三陸沖で温帯低気圧に変わりました。
この台風により、沖縄・奄美と西日本から北日本にかけての太平洋側を中心に大雨や暴風となり、海上では猛烈なしけとなりました。

(被害状況)

《台風第18号》
台風第18号の影響により、死者6人、行方不明者1人、負傷者72人の人的被害が発生しました。また、住家被害については、全壊2棟、半壊4棟、床上・床下浸水2540棟等の被害が発生しました。

《台風第19号》
また、台風第19号では、死者3人、負傷者96人の人的被害が発生しました。また、住家被害については、半壊6棟、床上・床下浸水836棟等の被害が発生しました。

(政府の対応)

《台風第18号》
台風第18号の接近に伴い、政府では、10月3日と5日に、山谷内閣府特命担当大臣(防災)、西村内閣府副大臣出席のもと関係省庁災害警戒会議を開催し、今後の気象の見通しや各省庁の対応状況等を確認するなど警戒体制の強化を図るとともに、5日には、山谷内閣府特命担当大臣(防災)から国民の皆様へ、台風第18号の接近に伴う大雨や強風への対応として、早め早めの避難などを呼びかけました。
更に、台風の進路や被害の発生状況を踏まえ、10月6日と7日に関係省庁災害対策会議を開催し、被害状況及び各省庁の対応状況の共有を図るとともに、関係省庁が緊密に連携し、引き続き対策を講じることを確認しました。

《台風第19号》
台風第19号への備えとして、政府では、10月10日に、山谷内閣府特命担当大臣(防災)、西村内閣府副大臣出席のもと関係省庁災害警戒会議を開催し、今後の気象の見通し及び被害状況並びに各省庁の対応状況について情報共有を行いました。
また、沖縄県知事からの自衛隊災害派遣要請に基づき、陸上自衛隊を沖縄県へ派遣し、沖縄電力の人員及び機材の輸送を実施しました。
更に、台風の進路や被害の発生状況を踏まえ、10月14日に関係省庁災害対策会議を開催し、被害状況及び各省庁の対応状況の共有を図るとともに、関係省庁が緊密に連携し、引き続き対策を講じることを確認しました。

長野県北部を震源とする地震

11月22日22:08頃、長野県北部を震源とする地震(震源の深さ約5km、M6.7)が発生し、長野県長野市、小谷村、小川村で震度6弱、長野県白馬村、信濃町で震度5弱を観測しました。また、11月26日9:00現在、震度1以上の余震は93回観測されています(22日22:37に最大震度5弱を観測)。

(被害状況)

この地震により、幸いにも死者・行方不明者は発生しませんでしたが、46人の負傷者が出ました。また、住家被害については、全壊50棟、半壊92棟、一部破損1428棟の被害が発生しました。

(政府の対応)

政府では、地震発生直後から、緊急参集チームの招集し、事態把握と対処方針の確認を行うとともに、発生後直ちに政府の先遣チームを長野県庁へ派遣しました。
23日朝には、松本内閣府大臣政務官を団長とする政府調査団を長野県へ派遣し、長野県知事等から被災状況の説明を受け、救助活動、二次災害の防止、避難者への対応、インフラ・ライフラインの早期復旧等について意見交換を行うとともに、自衛隊のヘリコプターで上空から白馬村・小谷村の被害状況等を調査しました。
同日9:00には、山谷内閣府特命担当大臣(防災)出席のもと、関係省庁災害対策会議を開催し、阿部長野県知事とテレビ会議を行うとともに、被害状況及び各省庁の対応状況について情報共有を行いました(以降、同会議を計2回開催)。
また、24日には、安倍内閣総理大臣が長野県を訪問し、被災現場を視察するとともに、避難者等と意見交換を実施しました。
さらに、12月2日に山谷内閣府特命担当大臣(防災)を団長とする政府調査団を長野県に派遣し、被災自治体の首長等と意見交換を行うとともに、被災現場の調査を実施しました。

(支援策)

具体的な支援として、11月22日に、災害救助法が長野県北安曇郡白馬村、北安曇郡小谷村、上水内郡小川村に適用されました。
また、同日付で被災者生活再建支援法が長野県北安曇郡白馬村、北安曇郡小谷村に適用されました。
さらに、「平成二十六年十一月二十二日の地震による災害」について、長野県北安曇郡白馬村及び小谷村を対象とする激甚災害に指定し、当該災害に適用すべき措置(公共土木施設災害復旧等に関する特別の財政援助、農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置、小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への参入等)を指定しました。(12月16日閣議決定、12月19日公布・施行予定)

被災した家屋の様子(白馬村神城地区)

政府調査団の長野県災害対策本部会議への出席(長野県庁)

避難所で聞き取りをする安倍総理大臣(白馬村内)

意見交換会であいさつをする山谷防災担当大臣(白馬村役場)

(以上、平成26年12月16日現在)

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内閣府政策統括官(防災担当)

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