日本の火山 vol.31 新島 [東京都]

コーガ石の島

新島は東京の南約150㎞に位置し、南北11.5㎞、東西3.2㎞の細長い形をしている。人口は2892人(平成26年4月現在)。
島には、北部にある最高峰の宮塚山(432m)、阿土山(あっちやま)、南部の向山(むかいやま)などの溶岩ドーム群がある。また、北部の若郷(わかごう)には、マグマ水蒸気爆発で生じた爆裂火口がある。島の中央部は、9世紀の噴火による火砕物でできた台地である。
新島の噴火の特徴は、火砕流を生じやすいことである。9世紀に向山が噴火した時は、房総半島でも降灰があり、多数の牛や馬が犠牲になったと言われている。9世紀以降、噴火は起きていないが、群発地震は時々発生し、最近では、2011年3月の東北地方太平洋沖地震直後に新島付近で地震活動が一時的に活発化した。気象庁では、新島の火山活動を24時間体制で監視している。
向山では、世界的にも珍しいコーガ石(抗火石)が採掘されている。コーガ石は、流紋岩の一種とされ、新島の火山活動によってできた恵みである。のこぎりで切断できるほど柔らかく、水に浮くほど軽い。耐火性、耐酸性、防音性にも優れており、新島では古くから、建物や日用品の材料として使われてきた。近年は、コーガ石を原料とし、オリーブ色を特色とする新島ガラスが、島を代表する工芸品となっている。

新島(海上保安庁提供)

新島
火山噴火予知連絡会により活火山に選定されている火山。気象庁により噴火予報(平常)が発表中である(8月8日現在)。

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