シリーズ 一日前プロジェクト(第31回)

もし、1日前に戻れたら…
私たち(被災者)から皆さんに伝えたいこと

「大津波が来る!」と叫んでも「そうなの?」とご近所さん~「とにかく、逃げよう」と一緒に避難(釜石仮設団地 60代 女性)

東日本大震災(平成23年3月)

昼食後にコーヒーを飲んでいたら、地震が起きました。すると、目が不自由な主人が「普通の地震じゃないから逃げた方がいい」、「これは大津波の地震だ、いつものと違う、早く逃げろ!」とか言って、階段を降りて行こうとするんですよ。「じゃ、革ジャン着て」って出していたら、「そんなの着ているヒマないよ」って。とにかく着の身着のままで、先に主人を高台の神社に避難させました。
その時、おばあちゃんたちが立っていたので、「大津波が来るみたいだから、早く逃げて!立ってないで!」って言ったら、「そうなの?」って笑っているんです。みんなそんな感じ。「ほんとに来るから!」と叫んでいるところへお店をやっている隣のおばちゃんがリヤカー引っ張って帰ってきたので、「シャッターだけ閉めて逃げて!」と言うと、「だって、今お金を下してきたばっかりだ」って。「いや、とにかく逃げよう」と言って、散乱している店先の物を片づけてやって、シャッターを閉めて、おばちゃんと一緒に逃げました。
実は前の年も大きな地震があって、津波警報が出て、避難命令が出たんだけど、何もなかったんです。それに、あの日の2日前にもちょっとした地震があって、津波注意報が出たけど全然来なかった。そういうこともあったから「たいしたことないな」という気持がどこかにあったのかもしれません。

被災者の実体験を聞く事ができる『一日前プロジェクト』は上記HPでも見ることが出来ます。家庭はもちろん、地域や職場等、
さまざまな話が掲載されていますので、企業の「社内報」や地域での「広報」に幅広く活用してください。

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